今回はマグネシウムと睡眠について解説していきます。
マグネシウムの補給で睡眠の質がグンと改善した研究
この研究は43人の高齢者を対象として8週間行ったRCT(1)です。参加者は以下の2つにランダムで分けました。
グループ
- マグネシウム(500mg)
- プラセボ
マグネシウムは1日2回250mgの錠剤を飲んでもらっています。後は睡眠記録と血液サンプルを採取して、評価しました。結果は以下のような感じ。
結果
- 身体活動レベルが有意に増加
- 睡眠時間・睡眠効率を有意に増加
- 眠りに落ちる時間が有意に減少
- 血清レニン・メラトニンレベルが有意に増加
- 血清コルチゾールが有意に減少
上記のようにマグネシウムサプリが睡眠を大きく改善しました。特に主観的な評価だけではなく、客観的な評価も改善しているのが良いですね。
メモ
レニンとは、タンパク質分解酵素の1つです。研究ではノンレム睡眠(深い睡眠)のときに増え、浅い睡眠のときに減少したようです。
-
-
睡眠障害持ちが唯一オススメする快眠サプリ「ナイトレスト」
マグネシウムはメンタルにも良いかも
マグネシウムと不安・ストレスに対する系統的レビュー(2)では、マグネシウムの補給が主観的な不安を軽減するとしています。この研究はマグネシウムと不安の論文を精査して、最終的に14件の研究が基準を満たしました。
これらの論文で使われたマグネシウム量は46.4~600mgの範囲です。最も使われたマグネシウムが乳酸マグネシウムで、次点が酸化マグネシウムでした。で、主な結果は以下の通りです。
結果
- 主観的な軽度の不安を中程度改善した
- 産後の不安には有効性の証拠なし
- 高血圧の人の不安に対しては証拠が弱め
総じていうと、軽度の不安に効果的な可能性はあるが、決定的ではないという感じでした。どうやらマグネシウムの研究は質が悪いものも多く、今後室の高いRCTが必要と書かれています。(1)の研究ではコルチゾールも減少させているので、不安やストレスで眠れないという人は飲んで見る価値ありです。