このページでは夕方以降のベストな光について紹介していきます。
夕方以降は「赤い光」がベストかもという研究
睡眠に悪影響を与えることで、有名なのはブルーライトです。就寝前の明るい光は全般的に影響が出ますが、特に影響があると発表されています。
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想像以上にやばい!就寝前の光が絶大な悪影響を引き起こす
そんな中で光の色によって、影響が違うんじゃない?という研究(1)が出ています。この研究は12人の男女を対象として27時間起き続けてもらうというハードなものでした。
起きている間は40ルクスの弱い光を赤色と青色に分けて、定期的に浴びてもらっています。
結果は以下のような感じ。
結果
- 夜は青い光を浴びた後でメラトニンレベルが有意に低くなる
- コルチゾールは青い光・赤い光で有意差なし
- ただし暗くするとコルチゾールは有意に低かった
※メラトニンとは、眠気を誘う睡眠ホルモン。コルチゾールは、ストレスホルモン。
ということで、人の体内リズムは青い光に敏感ですが、赤い光には敏感でないとわかりました。ちなみにブルーライトに悪影響があるのは夜だけでした。
朝にブルーライトを浴びてワーキングメモリが向上した研究(2)もあるので、一概にブルーライトが悪というわけではありません。
ただし、赤い光と青い光を夜に浴びると、コルチゾール濃度が著しく上昇する結果でした。著者らはこの結果について、光が交感神経を有意に調節すると考えているようです。
というのも、コルチゾールはストレスを感じたときにだけ分泌されるのではなく、常に分泌はされています。
引用元:Modified-Release Hydrocortisone to Provide Circadian Cortisol Profiles
上記の表を見ても、起床時が一番多く分泌され、就寝前のタイミングではかなり低下しています。つまり、この研究は光が交感神経緊張を調節して、コルチゾールやアルファアミラーゼの変化を起こしたということです。
とはいえ、夕方以降に光禁止は現実的ではないので、ブルーライトをできるだけ防ぐのが妥当かなと。特に照明の色を変えられる方は赤い光にするのが正解です。
ブルーライトカットメガネもおすすめな方法です。
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ブルーライトカットメガネの効果の証拠ってどのくらいあるの?
中国ではアスリートの方に赤色光療法をしている
中国で行われた研究(2)では、女子バスケ選手に赤色の光を照射して影響を調査しています。対象者は20人の女子バスケ選手で、10人が赤色光療法で、もう10人がプラセボに分けて行われたランダム化比較試験です。
赤色の光は毎晩30分照射して、14日間続けました。ちなみに光を照射するときは、アイマスクをして全身に浴びせるというやり方です。
結果は以下のような感じ。
結果
- 主観的な睡眠の質を改善
- 血清メラトニンの大幅な改善
- 持久力パフォーマンスの改善
介入後の結果を分析すると、12分間の持久走と睡眠の質スコアの間には負の相関があるとわかりました。ちなみに著者らは赤色の光が持久力パフォーマンスに良い影響を起こしたかは明確な結論が引き出せないとしています。
ただ赤色光療法がメラトニン分泌の増加と筋肉の再生に寄与していると推論しているようです。この治療ではガッツリ赤色の光を浴びて、14日間過ごしているので、家で照明の色を変えてどれだけの効果があるかは不明です。
それではぜひ参考に。