寝る前のブルーライトは睡眠に悪影響ということで、スマホ断食という方法が生まれました。実は夜9時以降のスマホ断食で、総睡眠時間や入眠時間が改善するという調査結果が発表されています。
夜9時以降スマホ禁止の効果
この研究(1)は569人の10代学生を対象として行われました。実験は主に2つのフェーズに分かれています。
グループ分け
- フェーズ1:ベースラインの評価
- フェーズ2:午後9時以降はスクリーンデバイスの使用を禁止
ざっくりいえば、フェーズ1と2を比較するわけですね。どちらの期間も2週間ずつ行われています。
フェーズ2では午後9時以降にやることを事前にブレインストーミングさせました。電子機器がなくても苦痛を感じさせないための工夫です。
また睡眠や認知テストとして以下のような測定をしています。
診断内容
- 睡眠日誌
- アクティグラフィー(睡眠を測定する時計型デバイス)
- スクリーンアクティビティ(SNSやゲーム、動画視聴などをどのくらいしたか)
- 心理的苦痛スケール
- 持続的注意課題
- メラトニン量(唾液サンプル)
それぞれ測定すると、結果は以下のような感じでした。
結果
- 平均総睡眠時間が17分増加した
- 睡眠開始時間は有意に早い就寝時刻を示した
- 日中の注意力(反応速度)が改善した
- メラトニンは変化なし
これらの結果はスクリーンの使用を制限するほど、早く就寝し、睡眠時間も増えるとわかりました。また日中の注意力も改善しているので、中々いい感じですね。
しかも今回は比較的大規模サンプルで、主観的・客観的な指標を使っています。夜9時以降のネット断食は睡眠や注意力に良さそうですね。
著者はスマホが睡眠に影響する理由として以下のように述べています。
スクリーンの使用はストレスや情緒的覚醒レベル(例:SNS、ビデオゲーム)を増加させる活動として知られ、就寝時間や睡眠開始に影響を及ぼしうる。またスクリーンデバイスによって照射されるブルーライトが睡眠に影響し、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの夜間の上昇が遅くなり、覚醒度の上昇と眠気の軽減につながる。
電子機器によるメラトニンへの影響はナイトモードでも悪影響が確認されているので、中々辛いところです。
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残念ながらiPadのNightShiftモードは睡眠への影響を完全に防げないようだ
個人的にはブルーライトカットメガネをしていましたが、今回の研究では午後9時以降のネット断食もありかなと思い始めました。別の研究(2)では就寝1時間前のスマホ禁止で、睡眠時間が増加した例もあります。
就寝時間にもよるかもしれませんが、10時や11時あたりからならやってみてもよいかもしれません。
それではぜひ参考に。