概日リズム睡眠障害(DSPS)とは?私がやった11の治し方とルールまとめ

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概日リズム睡眠障害

 

今回は睡眠相後退症候群(DSPS)の私が実際に行った治し方を紹介していきます。「もしかしたら概日リズム睡眠障害かもしれない・・・」という方はぜひ参考にしてみてください。

 

概日リズム睡眠障害睡眠相後退症候群(DSPS)とは?寝たいのに眠れないとかいう地獄

概日リズム睡眠障害睡眠相後退症候群(DSPS)とは、体内リズムが望ましい入眠時間よりも遅れてしまい、生活に支障をきたす睡眠障害のことです。

概日リズム睡眠障害は、全部で7種類あります。

睡眠障害の国際分類-第3版」では、以下のように分類されています。

 

概日リズム睡眠障害7タイプ

  • 睡眠・覚醒相後退障害(DSPS)
  • 睡眠・覚醒相前進障害
  • 不規則睡眠・覚醒リズム障害
  • 非24時間睡眠・覚醒リズム障害
  • 交代勤務障害
  • 時差障害
  • 特定不能な概日睡眠・覚醒障害

 

DSPSは、この中でも若年層に多く発症する睡眠障害です。

夏休みに夜更かしばかりして、就寝時間が遅れるということがありますが、それがさらに悪化して簡単には戻らなくなる病気です。

 

言葉にすると易しい病気にも思えますが、難治性の睡眠障害で学校や仕事に大きな支障を与えます。

名古屋市⽴⼤学⼤学院薬学研究科の粂和彦教授が作成した「良い睡眠リズムの整え⽅(v 2.0)〜睡眠覚醒相後退障害の治療法(PDF)」では、以下のように書かれています。

 

睡眠記録をきちんとつけながら、学校(会社)を完全に休み、最低でも3日、できれば14日間程度、⼀切の無理な努⼒をやめて、眠れる時間に眠って、起きられる時間に起きる⽣活を続ける。必ず、⾃然に目が覚めるまで眠る。

 

上記の期間は休養期間として推奨されているものですが、実際に治療を行う上でも最初の方は休む必要が出てくるでしょう。

とはいえ、不眠症とは違い、毎日同じ時間によく眠れて、睡眠時間も健常者と変わりません。

 

この病気はやる気や意思ではなく、体内リズムそのものが遅れているため、一般的な就寝時間に合わせられなくなっています。

気合や根性に逃げずに、きちんと病院(心療内科や精神科)へ行って治療を行いましょう。

 

こんな症状があるなら、概日リズム睡眠障害睡眠相後退症候群かも

以下のような症状があるなら、DSPSかもしれません。

 

DSPSの症状リスト

  • 就寝時間と起床時間が遅れているもしくは昼夜逆転している
  • 入眠時間はだいたい同じ時間帯
  • 一度眠れれば特に問題ない
  • 社会的な睡眠時間に合わせて眠るのが非常に困難もしくはできない
  • 上記のような症状が数週間か1ヶ月以上続いている

 

もし症状リストに当てはまっているようなら、これから紹介する治療方法を参考にしてみてください!

 

私が行ったDSPSの治し方まとめ

ここでは、私が実際に行ったDSPSの治療方法について紹介していきます。

治療方法は、主に心療内科の先生が指導してくれたやり方です。

 

治療方法について説明する前に必ず守ってほしいのは、心療内科や精神科には必ず行くことです。

基本的に精神疾患の人が行く場所ですが、睡眠障害も扱っています。

 

もちろん、睡眠外来が良いのでしょうが、無呼吸症候群専門の外来が多いので注意が必要です。

これから紹介する薬も、心療内科や精神科で扱っています。

 

ここで「なんとか病院は行かない方向で・・・」とか思った人は、ここから先は読まないでください。

睡眠覚醒相後退障害は、「日常生活を不可能にする」難治性の睡眠障害と言われています。

 

私の場合、12時就寝で、7~8時起床までに改善しましたが、完治した気は全くしません。

おそらく気を抜いて習慣を崩すと、4時就寝コースでしょう。

治療方法の前に認識を改めてほしいのですが、自分は難治性の睡眠障害だと自覚してください。

 

1.高照度光療法

DSPSの代表的な治し方である高照度光療法です。(1

体内リズムの調整には、2000~3000ルクスの照度が必要になります。

高照度光療法に使われる機器の中には、50000ルクスの光を発する機械がありますが4万円近くします。

 

朝日

 

基本的にこのレベルの照度であれば、外へ出るだけでOKです。

 

晴れの日 100,000ルクス
曇り・雨の日 5,000~10,000ルクス
晴れの日窓から1メートル以内 2,000~3,000ルクス
部屋の明るさ 300~500ルクス

 

上記を見ていただけるとわかるように、外へ出れば治療に必要な照度が手に入ります。太陽最高です。

この明るさの光を15~30分浴びましょう。

 

私の場合は朝起きたら、すぐに散歩をしていました。

軽い運動にもなるので目覚めはかなり良かったですが、ベランダに出てぼーっとしているだけでも充分です。

 

しかし、DSPSは朝日を浴びるだけでは治りません。

これと合わせて、睡眠スケジュールを作成していきます。

 

光目覚ましもあり

起床するときは音ではなく、光目覚ましをオススメします。

ただし、Amazonで売られているような3000円前後の光目覚ましは照度が足りず、ほとんど意味がありません。

個人的なオススメは、睡眠障害の治療で使われる「ブライトライトME+」照度が高い光目覚ましの「inti4」のどちらかです。

 

ブライトライトME+

 

ブライトライトME+は最大照度50,000ルクスで、医療機関で使われている機器です。

照度的にはかなりオススメですが、かなり大きいのと値段が4万円近くします。

 

inti4

 

個人的に光目覚ましを検討しているなら、inti4をオススメします。

価格は2万円近くしますが、最大照度は20,000ルクスでサイズも手頃です。

 

2.徹底した睡眠スケジュールの作成

DSPSの治療で独特なのは、睡眠スケジュールの作成です。

睡眠スケジュールとは、何時に就寝して何時に起床するというのを管理するためのものです。

 

DSPSの睡眠スケジュール

 

現状として、上記のような睡眠時間のズレがあると仮定します。

人によって就寝時間に違いはあると思いますが、今回は4時に眠くなる人を例としています。

 

DSPSの治療

 

DSPSの治療では、このズレを巻き戻すように治していきます。

ざっくり言うと、少しずつ就寝時間を早くするという治療方法です。

 

起床時間と就寝時間

 

上記の表は私が使っていたものと同じ表で、予定している就寝・起床時間と実際の時間をメモしていくというやり方です。

「起床時間は固定」で、仮に予定時間に寝られなくても、予定通りに起きて朝日を浴びましょう。

 

この睡眠スケジュールでは、最大1週間に1時間早くしていくことが可能です。

とはいえ、最大1時間というのは専門家の意見で、実際にやってみるとかなり難易度高めでした。

 

+ 1週間で1時間早くする難しさ

私もいきなり1時間戻そうとした経験はありますが、成功した試しが一度もありません。

というのも、この治療方法では1日だけ早く寝て早く起きられれば良いわけではないので、次の日に1時間分早く寝られないという問題が発生します。

私の場合は後ほど紹介するロゼレムを飲んでいましたが、それでも眠れず結局15分~30分で落ち着きました。

治療を開始した序盤はスムーズに戻っていきますが、健常者に近くなるほど早くするのが難しくなります。

個人的には最初の段階は30~60分で戻し、早くなるに連れて15分ずつにするのがオススメです。(個人の意見)

 

私感では、1週間に一度15分間隔で戻すのがベストです。

治療期間は長くなりますが、失敗が少なく習慣にしやすいので、確実に治すなら15分でしょう。

 

ちなみに途中で失敗してしまっても、気にする必要はありません。

薬を使っていても、予定時間に寝られないということは多々ありました。

 

そんなときは気にせず、眠くなるまで別のところで何かをしていましょう。(テレビ・スマホはダメ)

ただこの場合でも起床時間だけ守るようにしてください。

 

3.ロゼレム

概日リズム睡眠障害は一般的な睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)では効果がありません。

そんな中で、ここ10年くらいで出てきた薬がロゼレムです。

 

ロゼレム

参考:武田薬品工業株式会社

 

ロゼレムはメラトニン受容体作動薬といって、視床下部視交叉上核(体内時計がある)にあるメラトニン受容体に働きかけます。

基本的に睡眠薬というよりは、体内時計を改善するための薬です。

 

この薬のすごい点は、一般的な睡眠薬とは違い、自然な眠りを誘発する点です。

メラトニン受容体に作用して、眠れるまでの時間を短縮し、総睡眠時間を増やすという作用(2)があります。

 

しかも、副作用が少なく、依存性もほとんどないという理想的な薬です。

私もこの薬のおかげで治せたと言っても、過言ではないくらいに助けられました。

 

おそらくあなたがDSPSで、心療内科へ行くと処方してもらえると思います。

保険も適用されるので、一度病院へ行きましょう。

 

4.思考が暴走したときのクロニジン(カタプレス)

クロニジンは睡眠薬でも体内リズムを調整する薬でもなく、高血圧の人向けに使う飲み薬です。

この薬は中枢性交感神経抑制薬で、根本的な部分から交感神経を抑制する作用があります。

 

覚醒と催眠

 

概日リズム睡眠障害の中でも、夜眠る前に思考が止まらないタイプに有効です。

詳しくは以下のサイトがとても詳しく解説しています。

 

なぜわたしの概日リズム睡眠障害にはあらゆる睡眠薬が効かなかったのか

 

私の場合はロゼレムで充分に効果を得ていましたが、眠る前に思考が止まらなくなるという経験は多々あったので個人輸入で試してみました。

結果として、睡眠薬ではないのに簡単に眠れました。

 

上記サイトによれば、概日リズム睡眠障害の中でも虐待などの精神疾患がある人に有効という事例があるようです。

そういった経験はありませんが、眠る前に思考が活発になって眠れないという人は担当の医師に相談してみるといいかもしれません。

 

また色々な睡眠薬を試して、効果が得られない人は試してみる価値ありです。

ただし、ロゼレムよりも副作用があって、朝起きると喉が乾いていたり、ダルさを感じたりはします。

 

5.メラトニン

ロゼレムが出るまでは、メラトニンが使われていました。

 

ナイトレスト

 

私が使い始めたのはナイトレストというサプリで、ほとんど治ってから使っています。

あまり参考にはなりませんが、睡眠導入としてはかなり使えます。

ナイトレストの場合はメラトニン以外にも、科学的に認められている快眠効果のある成分が配合されています。

 

ナイトレスト
睡眠障害持ちが唯一オススメする快眠サプリ「ナイトレスト」

続きを見る

 

副作用はほぼ感じませんし、睡眠導入に利用するのはありでしょう。

ただ最初はロゼレムで、治療していくのがオススメです。

間違ってもナイトレストを治療として使うのはやめましょう。

 

寝付きが悪くなる原因と対策ルール

1.夕方以降のカフェイン(緑茶・コーヒー)は厳禁

夕方以降にカフェインを摂るのが睡眠に悪影響を及ぼすのは有名な話です。

実際に「カフェインと睡眠についての研究」も行われています。

 

この研究では20~30代の若年層と40~60代の中年層に分けて、200mgのカフェイン投与を行いました。

結果としてカフェインを夕方以降に摂取すると、睡眠効率を低下させて、睡眠総時間はどちらの年齢層でも同様に減少しました。

メカニズムとしても解明(3)されていて、カフェインによる覚醒はA2A受容体のブロックによるものとわかっています。

 

コーヒーと緑茶はダメ

 

しかも、カフェインに関しては血中のカフェイン濃度が半分になるまでに4時間もかかるため、原則夕食以降は飲まない方が良いでしょう。

徹底するのであれば、午後以降はカフェインを摂らないというルールをオススメします。

 

コーヒーに関しては、デカフェ(カフェインレスコーヒー)を注文するのがオススメです。

スタバなんかでは+50円でデカフェにできます。(待ち時間が必要)

 

2.就寝前の光はブルーライトカットメガネで対策

就寝前の光は眠気を誘うメラトニンを抑制すると研究(4)でわかっています。

具体的には、一般的な室内の明るさ(200ルクス)と薄暗い部屋(3ルクス)を比較したら、メラトニン濃度が71.4%も減少しました。

 

その他にも、メラトニンの合成が遅れたり、持続時間が短縮したりするので対策をしなければなりません。

就寝前には部屋を暗くするのが手っ取り早いのですが、実は太陽光やパソコンの光を浴びるよりもスマホのブルーライト量が多いとわかっています。(5pdf)

そこでオススメしたいのはブルーライトカットメガネです。

 

ブルーライトカットメガネ

 

Spectra479というメガネで、ブルーライトを99.9%カットしてくれます。

日本では、一般的に20~50%のブルーライトカットが一般的です。

 

しかし、徹底してカットするのであれば、上記のようなオレンジ色のレンズのメガネをオススメします。

私感ですが、ブルーライトカットメガネを付けた方が入眠までの時間は早く感じます。

 

3.夜のコンビニは絶対に行かない

睡眠のルールとして徹底しているのが夜のコンビニへ行かないことです。

 

夜のコンビニ

 

夜のコンビニは外から見てもかなり明るいですが、1500~1800ルクスの照度があります。

朝に必要な照度が2000~3000ルクスなので、異常に高い照度だとわかります。

ブルーライトカットメガネを付けて行くわけにはいかないので、行かないことをルールにしましょう。

 

4.音や光が睡眠を妨げているなら「耳栓」「アイマスク」

寝ている環境は人それぞれですが、睡眠を阻害する要素として音や光があります。

集中治療室での睡眠の質を高める実験(3)では、耳栓とアイマスクが睡眠の質を高めるとわかっています。

 

ただこの実験は集中治療室という騒音と光が問題になっている環境で行われました。

寝室の環境とは違っていますが、もし寝る時に騒音や光が邪魔していると感じているなら、耳栓とアイマスクは有効だと考えられます。

 

モルデックスの耳栓

 

私が使っている耳栓はモルデックスで、遮音性・種類の多さ・コスパの三拍子が揃っています。

お試しパックも500円ほどなので、とてもオススメです。

 

テンピュール

 

アイマスクはテンピュールで、低反発でクッションのようなアイマスクを使っています。

遮光性の高さも群を抜いていて、移動中や旅行先にもオススメです。

 

どちらもいくつか使ってきましたが、かなり使い勝手が良いです。

耳栓とアイマスクを探している人はオススメします。

 

5.眠くならないなら、寝床を離れる

ベッドに入っても眠くならないのは、DSPSだとよくあります。

ただそんなときは一度ベッドを離れて、別の場所で眠くなるまで待っていましょう。

基本的に脳は場所と行動をセットで記憶するという性質を持ちます。

 

イヴカフェと本

 

これは睡眠に限らず、「勉強が集中できる場所」や「リラックスしやすい場所」というものが色々と存在しています。

そこで眠れないからといって、ベッドでスマホゲームをしたりネットサーフィンしたりすると「ベッド=暇つぶしをする場所」と記憶されてしまいます。

なので基本的に眠れないなら、一度ベッドを離れて別の場所で待機するようにしましょう。

 

6.無理な早起きは絶対に治らないのでやらない

概日リズム睡眠障害に対する理解のない人に、よく言われるのが「今日だけ早起きをすれば、夜ぐっすり眠れて治る」という意見です。

何人からか言われてきましたが、結論からいって絶対に治りません。

 

概日リズム睡眠障害は体内リズムの問題であって、一時的に眠れないというものではないからです。

根本から改善するためには、体内リズムを正常に戻していく作業が必要です。

基本的にこういった睡眠障害になった場合は安易に素人の意見は聞かずに、病院へ相談に行きましょう。

 

 

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