アメリカ農務省の職員を対象とした研究では、仕事終わりにリラックスできている人ほどメンタルや睡眠への悪影響が少ないと発表されました。
仕事終わりに精神的な休憩をすると睡眠が改善される
この研究(1)はアメリカ農務省森林局の699人の職員を対象として行われました。参加者は週5勤務で、平均41.7時間働いています。調査方法はアンケートで主観的な評価をしてもらいました。
測定内容は以下のような感じ。
調査内容
- 職場の不安定性尺度(職場で侮辱されたり見下されたりしないか)
- 感情的反すう尺度(仕事の思考からスイッチが切れない)
- 不眠症の尺度
- 心理的な離脱(夜仕事について考えたか)
- リラクゼーション(夜リラックスできているか)
主に仕事での不満やメンタル面、リラックス度合いを測定しました。
メモ
反すうとは、ネガティブな考えを何度も繰り返し考えてしまうことです。主にうつ病の原因の1つとも言われています。心理的離脱は仕事から精神的にも離れられることです。休みなのについ仕事について考えたり、スマホで仕事したりしない状態ですね。
結果は以下のような感じです。
結果
- 仕事からの心理的離脱・リラクゼーションは仕事の反芻と関連していた
- 仕事の反芻は不眠症と関連していた
- 管理者と同僚の不可分性は仕事の反すうと有意に関連していた
- 職場の偶発性と不眠症の関連は仕事の反すうによって仲介されていた
- 仕事からの心理的な離脱は仕事の反すうと不眠症の症状との関連を緩和した
- 仕事からの心理的な離脱とリラックスレベルが高い人は不眠症への影響が最も小さかった
これらの結果から、職場の不安定性は仕事の反すう増加と関連しているとわかりました。また仕事の反すう増加は不眠症と関連しているので、職場の不安定性と不眠症には間接的な関連が見られます。
しかし、面白いのが心理的な離脱やリラクゼーションのレベルが高いと、この影響は弱くなりました。つまり、仕事終わりに仕事のことを一切考えず、リラックスできている人は睡眠やメンタルへの悪影響はかなり少ないということですね。
著者は今回の結果について以下のように述べています。
最高レベルの回復経験(仕事の後で心理的に離れてリラックスできる)を持つ従業員は、職場でストレスに直面しても睡眠時間が長い。これは従業員の福利と業績維持や改善する手段として、職場の条件に注意を払い、ポジティブな感情的条件を促進することの重要性を実証的に支持する。
仕事終わりは仕事から心理的にも離れて、リラックスするのが重要です。ただこれが中々難しいんですよね。ついスマホとかで仕事をやってしまうことが多々あります。
-
-
これはツライ!仕事後にスマホを使うと心が休まらないという研究
研究ではリラックスしている人がやっているものとして以下のようなものがあります。
リラックスの例
- ヨガ
- 音楽を聴く
- 散歩
- マインドフルネス瞑想
基本的に仕事のことを考えずに、夢中になれるものが良さそうですね。個人的には有酸素運動も兼ねて、サイクリングを実践していこうと思っております。
それではぜひ参考に。