今回はベストな入浴のタイミングについて解説していきます。
20分の入浴で睡眠の質を改善した研究
うつ病患者を対象にしたランダム化比較試験(1)では、睡眠の質の改善が確認されています。この研究は36人のうつ病患者を対象にして、4週間実験を行いました。
実験では40℃の温泉に20-30分入浴してもらっています。プラセボ群は緑色光療法(偽物)を受けました。研究では2つの有望な治療法を比較していると、患者に言っています。
結果は以下のような感じ。
結果
- 深部体温が36.6℃から39.1℃に上昇
- うつ病スコアが有意に改善
- 睡眠の質が改善
- コーエンのd=0.62(95%)で、抗うつ薬の効果サイズよりも大きい
これらの結果から入浴がうつ病スコアや睡眠の質を改善するとわかります。入浴が睡眠に与えるメカニズムとしては、深部体温が挙げられていました。
体温は体の内部温度である「深部体温」と体の表面温度である「体表温」に分かれています。睡眠中は深部体温が低く、皮膚体温が高いとわかっています。(2)
お風呂などの影響で深部体温は高くなったら、体温を下げようとする性質があります。体温を下げるために手足から熱を放出して、深部体温を下げようとするわけですね。お風呂上がりで手足が暖かいのも、体温を放出している影響です。
実際に(1)の研究でも、入浴後に39.1℃まで上がってから30分休憩し、37.7℃まで低下しています。平常時が36.6℃だと踏まえると、およそ60-90分の休憩は必要と考えられます。
つまりベストな入浴のタイミングは、就寝の1時間半-2時間前のタイミングです。この研究についてはメタ分析も発表されました。
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【メタ分析】就寝何分前に入浴するのが睡眠にとってベストかの科学的な回答
それではぜひ参考に。