アルコールが健康な睡眠に与える影響を調査した研究では眠りにつくまでの時間を短縮できるものの、睡眠の後半になるにつれて睡眠が断片化すると発表されました。
アルコールによる正常な睡眠への影響
この研究(1)はアルコールが正常な睡眠にどんな影響を与えるか評価したレビュー論文です。論文を精査した結果、20件の論文が選択基準を満たしていました。
合計サンプル数は517人で、男女は半々です。アルコール濃度は以下の3つに分類されています。
アルコールの分類
- 低用量:0.15~0.49mg/kg
- 中用量:0.5~0.74mg/kg
- 高用量:0.75mg/kg~
そして、結果は以下のような感じ。
結果
- すべての用量で眠りにつくまでの時間が減少した
- すべての用量で徐波睡眠(深い睡眠)が増加した:アルコール量が多いほど増加
- 低・中用量は前半のレム睡眠(浅い)を減少させた
- 睡眠後半では覚醒回数が増加した
- 睡眠後半には寝言や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害効果が確認された
これらの結果から、アルコールは眠りにつくまでの時間を減少させて、前半に睡眠を深くしますが、後半にかけて悪影響を出すとわかりました。
今回の結果はアルコールが寝酒として利用される理由がよくわかりますね。ご存知の通りアルコールは気分の上昇や不安の軽減がありますし、その上で眠りにつくまでの時間も減少します。
寝付きづらい人から見れば、寝る前にお酒を飲むのは頷けます。しかし、実際には睡眠の後半にかけて大きな悪影響が出るので、オススメはできません。
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著者も以下のように述べています。
全体的にアルコールは睡眠を改善するのに役立ちません。睡眠の初めは深くなりますが、やがて中断されます。さらに深い睡眠はいびきや呼吸不良を促進します。したがって、寝る前にお酒を飲んだ方がいいと思ってはいけません。
寝酒は寝るのに適しているというイメージはありますが、実際には睡眠のサポートにはなっていないわけですね。とはいえ、個人的に寝れない経験はしてきたので、気持ちはわかります。個人的に寝付きづらいという人はメラトニンサプリがオススメです。
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それではぜひ参考に。