睡眠不足が認知機能を低下させることはよく知られています。研究では6時間睡眠でも2週間続けると、1日徹夜並みの認知機能低下が起きると示されました。
日本人の73%が睡眠時間「7時間未満」
平成29年の国民健康・栄養調査報告(1)によると、日本人の73%が7時間未満の睡眠と発表されています。
適正と言える7-9時間の睡眠を取っている割合が24%しかいませんでした。実は6時間睡眠でも認知機能に悪影響が出るという研究もあるので、この統計は想像以上に深刻です。
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短い睡眠の末路!エビデンスで見る睡眠不足が与える20の影響
6時間睡眠が徹夜並みの認知機能低下を起こす
この研究(2)では、健康な成人48人を対象として14日間ガッツリ実験したものです。最初の1日は全員適応日として8時間睡眠を摂ってもらい、後日ランダムに以下の4つに分けています。
グループ分け
- 0時間:0時間群には88時間起き続けてもらった
- 4時間
- 6時間
- 8時間
そして実験中は認知能力や気分、症状などの評価を受けました。結果は以下のような感じ。
結果
- 4時間・6時間群は全体的にパフォーマンスが著しく低下
- 4時間・6時間群は主観的な眠気が有意に増加
- 4時間睡眠×14日=2日徹夜と同等のワーキングメモリ低下
- 6時間睡眠×14日=1日徹夜と同等の認知能力低下
- 4時間群は認知の正確さ・スピードが低下
- 4-6時間睡眠はワーキングメモリ・認知能力タスク・持続的注意(集中力)を低下
- 習慣的に長く眠る人ほど、睡眠制限の影響を受けやすい
これらの結果から慢性的な6時間睡眠でも、認知機能に悪影響が出るとわかります。特にワーキングメモリや認知全体の能力を損なっていました。今回の参加者は21-38歳の若年層だったので、高齢者では別の結果が出るかもしれません。
またこの研究ではパフォーマンスが最低レベルになったとき、主観的眠気は「少し感じた」程度の評価でした。つまり、主観的には少し眠い程度でも、パフォーマンスが大きく下がっていることがあるとわかります。習慣的な6時間睡眠でこれだと中々衝撃ですね。
それではぜひ参考に。