【2020年版】WHOによる運動ガイドライン

WHO2020ガイドライン

 

今回はWHOが発表した運動ガイドライン(1)をまとめていきます。このガイドラインでは推奨される運動量や座りすぎによる悪影響が紹介されています。

 

子供(5-17歳)の推奨事項

推奨される運動/習慣

推奨される運動

  1. 1週間のうち平均1日60分の中程度から激しい強度の有酸素運動
  2. 激しい強度の有酸素運動/筋トレは最低週3日は取り入れるべき
  3. テレビやスマホ、ゲームの時間は制限する必要あり

 

運動の効果

運動の効果

  1. 体力(心肺機能および筋力)
  2. 心血管代謝の健康(血圧、脂質異常症、ブドウ糖およびインスリン抵抗性)
  3. 骨の健康
  4. 認知の結果(学業成績、実行機能)
  5. 精神的な健康(うつ病の症状の減少)
  6. 脂肪率の低下

 

成人(18-64歳)の推奨事項

推奨される運動/習慣

推奨される運動

  1. すべての成人は定期的に運動をするべき
  2. 少なくとも週150-300分の中程度の有酸素運動か、週75-150分の激しい強度の有酸素運動か、中程度と高強度の組み合わせを1週間を通して行う
  3. 週2回以上、すべての主要な筋肉が動かせる中程度以上の筋トレを行う
  4. (さらに健康になりたい人)中程度の有酸素運動を週300分以上に増やすか、週150分以上の高強度の有酸素運動をするか、組み合わせるかで追加の健康上の利点を得られる
  5. 座りすぎの生活を制限する必要あり。座っている時間を軽い強度でも運動に置きかえると健康に良い
  6. ずっと座った生活(寝ている人含む)をしている人は推奨量を超える運動をするのがオススメ

 

運動の効果

運動の効果

  1. 全原因死亡率の改善
  2. 心血管疾患死亡率の改善
  3. 高血圧症の発症
  4. 2型糖尿病の発症
  5. 部位別がんの発症
  6. 精神的健康(不安や抑うつの症状の減少)の改善
  7. 認知的健康の改善
  8. 睡眠の改善
  9. 脂肪率の改善

 

ただし、座りがちな生活は全原因死亡率や心血管疾患死亡率、がん死亡率、心血管疾患、2型糖尿病、がんの発生率に悪影響を及ぼすとわかっています。

 

高齢者(65歳以上)の推奨事項

推奨される運動/習慣

推奨される運動

  1. 運動能力が低い高齢者でも定期的な運動はオススメ
  2. 週3日以上、バランスと筋力トレーニングを中程度以上の強度で行う
  3. バランスと身体機能トレーニングが転倒リスクを減らす
  4. 身体機能トレーニングは色々な運動(バランス、ストレッチ、持久力、歩行など)を組み合わせるべき

 

運動の効果

運動の効果

  1. 転倒リスクの低下
  2. 転倒に関連する怪我が減少
  3. 骨の健康を改善
  4. 機能的能力の低下を予防

 

妊娠中・産後の女性の推奨事項

推奨される運動

  1. 医者から止められていないすべての妊娠中・産後の女性は定期的な運動をするべき:母体・胎児ともに利点あり
  2. 週150分以上の中程度の有酸素運動か、有酸素/筋トレ/軽いストレッチを組み合わせる
  3. 妊娠前から激しい有酸素運動をしていた女性は妊娠中・産後も継続してOK
  4. 座りがちな生活を軽い運動に置き換えると健康上の利点が得られる

 

運動の効果

運動の効果

  1. 子癇前症
  2. 妊娠高血圧症
  3. 妊娠糖尿病
  4. 過剰な妊娠体重増加
  5. 分娩合併症/分娩後のうつ病のリスクの減少
  6. 死産
  7. 新生児の合併症
  8. 出生体重への悪影響はなし

 

ここまでWHOのガイドラインに書かれている推奨事項を書いてきましたが、基本的には何もしないよりも少しでも運動をした方が良いです。今まで運動をしてこなかった人も少量の運動から始めて、時間の経過とともに頻度や強度、持続時間を増やしていきましょう。

他の注意点としては以下のような感じです。

 

  • 湿度と気温が高い場合は運動を避ける
  • 運動前・中・後は水分補給をする
  • 身体接触や転倒リスクがある場所での運動は避ける
  • 妊娠中は仰向けで寝る姿勢での運動は避ける
  • 医師から止められている場合は運動は禁止

 

それではぜひ参考に。

 

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