筆記療法の効果はごくわずか!筆記療法のメタ分析を調査してみた

筆記療法

 

イヴ
今回は筆記療法(筆記表現法)について解説します。

 

筆記療法の簡単解説

イヴ
筆記療法とは、ストレスを感じた出来事や感情、考えを書き出す方法です。主に過去のトラウマを扱うことが多いです。筆記療法や筆記開示とも言います。

 

筆記療法
やり方は1日15分間ネガティブな感情や思考を書き続けるという方法です。誤字脱字や文章構成は気にせず、時間が切れるまで書き続けます。

 

筆記療法のこれまでの研究

1.最初のメタ分析

最初に紹介するのは1998年に行われたメタ分析(1)で、健康関連の効果量が0.47でした。この効果量は対照群と比較して、23%も疾病率の改善を示す数値です。効果の大きさが他の治療法と比較しても大きかったため、注目を集めました。

この研究以降から筆記療法の研究が増え続け、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)の研究も行われています。とはいえ、1998年と20年以上前の研究なので、その後もメタ分析が行われました。

 

イヴ
効果量って何?
ニコ
効果の大きさを示す統計学の指標のことだな!目安は「0.2=小さい」「0.5=中程度」「0.8=大きい」だ!他の研究の効果量を見て相対的に考える場合もあるが、ここでは無視するぞ!

 

2.再度行われたメタ分析

(1)の研究を更新する形で行われたのが2006年のメタ分析(2)です。(1)の研究では13件の論文を元にメタ分析していましたが、今回は30件の論文を元に行われました。

すると、すべてのカテゴリで有意な効果量(-0.07)が見られませんでした。つまり、筆記療法の効果が認められなかったということです。

 

3.青少年を対象にしたメタ分析

2015年には青少年を対象にしたメタ分析(3)が発表されました。このメタ分析では10-18歳の青年を対象にした21件の研究を元に分析しています。結果はごくわずかの効果量(0.127)で、正でした。つまり、青少年の幸福にわずかですが、有意な改善をもたらすと示されたわけです。

 

4.抗うつ症状とメタ分析

そして2018年に発表された抗うつ症状のメタ分析(4)でも、効果がほとんど確認できませんでした。追跡調査も行われていますが、筆記療法の利点はないとしています。あくまで抗うつ症状を対象にしたメタ分析ですが、メンタル面の改善はごくわずかで、長期的には効果がないと見ていいでしょう。

 

5.PTSD・生活の質のメタ分析

PTSD(心的外傷後ストレス障害)と生活の質のメタ分析(5)でも、効果は小さいものでした。このメタ分析は53件の研究を元にしています。結果はPTSDと診断された個人では効果量(0.55)と中程度に大きく、診断されていない個人では効果量(0.32)と小さかったです。また生活の質に対してはゼロに近い効果量(-0.07)で、無視できるものでした。全体的に言うとPTSDに対しては有意ではありますが、効果は小さいです。

 

まとめ

ここまで筆記療法のメタ分析を調査してみましたが、全体的な効果は小さいものでした。筆記療法の研究は多く出てきていますが、メタ分析レベルになるとパッとしないというのが現状です。全く効果がないと切り捨てることもできませんが、やれば確実に効果の出るものとして紹介するのも難しいですね。

 

イヴ
ん~やり方は簡単なのに難しいね~!
ニコ
だな!ただ新しい筆記療法の研究も進められているから、こっちを参考にするのがいいかもしれないぞ!

 

 

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