ストレスを軽減して睡眠も改善するのが意外にも”さとうきび”だった動物実験

2019年8月15日

さとうきび

 

筑波大学の研究によると、さとうきびに含まれるオクタコサノールがストレスを軽減してノンレム睡眠を促進すると発表されました。

 

オクタコサノールのストレス・睡眠に対する効果

この研究(1)はオクタコサノールがストレスと睡眠に対して、どこまで効果があるのかを検証したマウス実験です。

 

さとうきび
オクタコサノールとは、さとうきびや米ぬかに含まれるアルコールの一種です。抗酸化作用があり、持久力の向上や筋肉痛を軽減すると言われています。

 

そして、研究はマウスを対象として行われました。オクタコサノールは経口投与で、以下の濃度を別の日に投与しています。

 

濃度の種類

  1. 50μmg/kg
  2. 100μmg/kg
  3. 200μmg/kg
  4. 400μmg/kg

 

またマウスのゲージを交換することで、軽度のストレスも与えています。そして、睡眠ポリグラフの記録や血液サンプルを採取して、睡眠やストレスを測定しました。

結果は以下のような感じ。

 

結果

  • オクタコサノールは正常なマウスに対して、睡眠を誘発しなかった
  • 軽度なストレスを持ったマウスはオクタコサノールでノンレム睡眠を誘発した
  • 用量を増やせば増やすほど、ノンレム睡眠が増加し、眠りにつくまでの時間が減少した
  • オクタコサノールはノンレム睡眠の数を増やし、覚醒エピソードの持続時間を短くした
  • オクタコサノールは血清コルチコステロン(ストレスホルモン)を有意に減少させた

 

結果はオクタコサノールがマウスのストレスを軽減し、ノンレム睡眠を誘発しました。著者はオクタコサノールがストレスを減らすことで、正常な睡眠を取り戻したと主張しています。

眠りにつくまでの時間が減少したのも、オクタコサノールがストレスを素早く緩和したことで、ストレスマウスの睡眠を改善したと言えるわけです。さとうきびの成分すごいですね。

著者は今回の結果について以下のように述べています。

 

私たちの発見に基づいて、論理的にはオクタコサノールが視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸に直接もしくは間接的に作用して、コルチコステロン分泌を低下させることでストレスレベルを低下させると主張できます。このストレスレベルの低下により、睡眠などの生理機能が正常化されます。

 

今回は動物実験ではありますが、食品の成分ということもあって人体への副作用もないと考えられます。ここまでストレスや睡眠に対して高い効果があるなら、一度試してみたいですね。

オクタコサノールが含まれている食べ物は以下のような感じ。

 

食べ物一覧

  1. さとうきび
  2. 黒糖
  3. りんごやぶどうなどの皮
  4. 米ぬか
  5. 小麦胚芽
  6. ムラサキウマゴヤシ
  7. ミツロウ

 

人を対象にした研究(2)では、30mg/日を1ヶ月間食べても、副作用がありませんでした。ただ摂るほうが中々大変で、「ナウフーズの小麦胚種油」大さじ1杯分が天然オクタコサノール0.001mgです。食べ物から取ろうとするのは中々大変かもしれません。

ポリコサノール」というサプリでは、オクタコサノールなどのアルコールを含むポリコサノールが20mg配合されています。サプリで取るのが無難そうですね。

それではぜひ参考に。

 

 

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