2016年に出た研究では、ストレスとテロメアの長さには小さな関連があると発表されました。
ストレスとテロメアのメタ分析
テロメアとは、染色体のキャップのようなものです。細胞分裂のたびに短くなり、最後には細胞死を迎えます。最近ではがんや認知症、2型糖尿病との関連が研究で示されています。一方でテロメアの長さと寿命は相関していません。
この研究(1)は2015年4月までに発表された研究を対象として行われました。精査した結果、22件の研究が残り、8,948人の被験者でメタ分析をしています。結果は以下のような感じ。
結果
- 年齢調整前はストレスとテロメアの長さは有意ではない非常に小さな負の相関が見られた
- 年齢を調整すると、高い知覚ストレスはテロメアの長さの減少と統計的有意な関連が見られた
- しかし出版バイアスがある可能性あり
これらの結果から、ストレスとテロメアの長さに小さな関連が確認されました。とはいえ、出版バイアスの影響もあるので、どこまで明確に言えるかは微妙なところです。
また短期のストレスか長期のストレスかによっても、違いが出ると考えられます。これについて著者は以下のように述べています。
短期間のストレスはテロメア生物学にほんの一瞬しか影響を与えない可能性があり、ストレスの長期的な測定は慢性的影響をよりよく捉える可能性がある。生涯にわたる高められた知覚ストレスは、現在のテロメア文献に完全には反映されていない重要な役割を果たす可能性がある。
慢性的なストレスは効果が大きい可能性もあります。実際、うつ病とテロメアの長さで関連が判明(2)していますし、不自然なことではありません。
こうしてみると、ストレスの悪影響は本当にキツイですね。
それではぜひ参考に。