昼寝はストレスを解消できるというのはよく知られています。しかし、今回の研究ではストレスが昼寝の質を悪くするという調査結果が発表されました。
ストレスは昼寝や認知機能に悪影響が出るのか?
この研究(1)は39人の男女を対象として行った2×2のクロスオーバーデザインです。参加者は4つのグループに、ランダムで分かれています。
グループ分け
- 昼寝・ストレス群
- 昼寝・対照群
- 覚醒・ストレス群
- 覚醒・対照群
そして参加者には以下のような流れをさせました。
実験の流れ
- 認知タスク(画像記憶タスク、n-back課題)
- ストレステスト(ストレス群のみ)
- 90分の昼寝(覚醒群はドキュメンタリー映画を見た)
- 認知タスクの内容をテスト
それから唾液サンプルや睡眠ポリグラフを取って、実験を終了しています。結果は以下のような感じ。
結果
- 覚醒群はコルチゾール上昇が100分、昼寝群は45分までだった
- ストレス群は寝付くまでの時間が有意に長かった
- ストレス群は深い睡眠が減少する傾向が15-45分まで発生した
- 記憶テストについては有意差なし
これらの結果から、ストレスが昼寝の質を悪化させるとわかりました。寝付くまでの時間が対照よりも長くなり、浅い睡眠が続くという結果です。このあたりは通常の睡眠でも、同じ結果が出ているので、不自然ではありませんね。
一方で、昼寝がコルチゾール(ストレスホルモン)の上昇を短くしています。過去の研究でも睡眠不足のストレスが昼寝で解消されたものもあるので、ストレス解消の働きがあるかもしれないですね。
-
-
リスクを最小限に!睡眠不足にベストな昼寝の時間は〇〇分だった
ただメカニズムは不明で、さらなる研究が必要とのことです。
今回一番ビックリだったのは、ストレスが昼寝や覚醒グループの認知に影響を与えなかった点です。調査したのは記憶力や注意力でしたが、影響は確認されていません。この結果はコルチゾールが記憶に影響を与えた研究と真逆の結果です。
それではぜひ参考に。
この記事も参考になるかも