ペンシルバニア大学の研究によると、マインドフルウォーキングがストレスや不安を軽減すると発表されました。
マインドフルネスとストレス・不安軽減の研究
この研究(1)はペンシルバニア大学が行った日常的なマインドフルネスがストレスや不安にどんな影響を与えるか調査したものです。マインドフルネスとは、今起きていることに注意を向けることを言います。逆にボーッとして心ここにあらずな状態をマインドワンダリングを呼びます。
参加者は158人の大学生で、全員「Paco」というスマホアプリをインストールしました。このアプリは1日最大8つの質問を通知してくれます。実験期間は2週間で、質問は以下のような内容です。
質問内容
- 今の姿勢(座りか立ちか動いているか)
- 知覚ストレスのレベル
- 不安のレベル
- マインドフルネスレベル
- モチベーション
回答の時間や点数などはアプリが自動で記録します。結果は以下のような感じ。
結果
- マインドフルネスレベルが高いとき、知覚される悪影響は少ない傾向にあった
- マインドフルネスで動いているとき、有意に少ない悪影響だった
- 立ちや動きは座りよりも悪影響が少なかった
これらの結果から、マインドフルネスレベルが高いと、座っているときやマインドワンダリングよりも悪影響が小さくなるとわかりました。しかも今回の実験で良いのがマインドフルプログラムを行わなくても、同じ結果が得られた点です。日常生活で取り入れるだけで、結果が出るのは素晴らしいですね。
著者はこの結果について以下のように述べています。
動きに基づく行動とマインドフルネスとの間に潜在的な相乗効果が現れ、これは動きに基づく行動やマインドフルネス自体よりもさらに悪影響を軽減しました。この発見は、マインドフルネスプラクティスを日常的な行動に基づく行動に取り入れることで、否定的な感情的体験をより大幅に低下させる可能性があることを意味しています。
そして、この論文の著者は運動をするのが困難な高齢者を対象として、マインドフルウォーキングの実現可能性について調査もしています。
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マインドフルネス瞑想のストレス解消効果ってぶっちゃけどうなの?
日常生活で取り入れやすい「マインドフルウォーキング」
先ほどの著者は高齢者に対するマインドフルウォーキングプログラムの実現可能性についても調査(2)しています。
マインドフルウォーキングとは、歩行瞑想のことです。歩きながら呼吸や体を意識する瞑想法のことです。具体的には呼吸を数えたり、「かかとが上がる」「つま先を上げる」などを心の中でつぶやきます。
この実験では26人の高齢者を対象として、8回のウォーキングセッションを行ってもらいました。ウォーキングセッションは自然公園を30分間ゆっくりと歩いてもらいます。
マインドフルウォーキングについては呼吸と動きに注意を払いながら、発生する感覚を特定するボディスキャンが含まれていました。そして、ストレスや不安、睡眠の質、マインドフルネスレベルを測定しています。1ヶ月後にも追跡調査を行って、実験は終了です。
結果は以下のような感じ。
結果
- 参加者の96%が人に推奨すると回答
- 1ヶ月後でも92%の人がウォーキングに興味があると回答
- マインドフルネスレベルとストレス・不安は負の相関にあった
- マインドフルウォーキングの後はストレス・不安の悪影響が有意に少なかった
- マインドフルウォーキングはウォーキングのモチベーションを高めた
これらの結果から、マインドフルウォーキングが感情的な悪影響を軽減すると示されました。特に今回は運動が苦手な高齢者にもとても好評なのが素晴らしいです。
著者は今回の結果について以下のように述べています。
参加者は最後のガイド付きマインドフルウォーキングセッションを完了してから、1ヶ月後でも中-高レベルのメンテナンスを報告しました。この結果はマインドフルウォーキングは、高齢者の日常生活の中でいつでもどこでも個別に開始できることを示しています。これはマインドフルネス介入は長期的に高齢者の間で幸福を改善し、そして歩行行動を維持するかもしれないということである。
今回の結果は激しい運動をしなくても、マインドフルウォーキングを日常に取り入れるだけでストレスや幸福を改善するかもしれないわけです。
それではぜひ参考に。
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