スタンフォード大学の研究によると、1時間あたりに貰える金額を意識するとストレスホルモンが23.5%も高くなるという調査結果が発表されています。
時給思考が23.5%ストレスを高めた研究
この研究(1)は140人の参加者を対象に行われました。参加者は実験の協力で57.5ドルが支給されるのですが、ランダムで2つの指示に分けています。
グループ
- 時給思考群:57.5ドル/作業時間を計算してください
- 対照群:57.5ドルを支払います
つまり、時給思考群は毎分や毎時間あたりの金額を意識させたわけです。この指示以外はどちらも全て同じ内容です。
セッションは2時間で、3つの課題をやってもらいました。測定は唾液採取や自己申告のストレスレベル測定です。結果は以下のような感じ。
結果
- 時給思考群は対照群と比較して23.53%高いコルチゾールレベルだった
- 時給思考は創造性に対して影響なし
- ストレスは高かったが、タスクパフォーマンスにも影響はなし(良くも悪くも)
- 時給思考群は時間的なプレッシャーが高まり、経済的な基準を厳しくし時間を無駄にしないことへ関心を高めた
時給思考は生理学的にストレスを高めてしまうとわかりました。ただし、創造性やタスクパフォーマンスにマイナスの影響は確認されていません。それどころか、時間的なプレッシャーが高まったことで、時間を無駄にしないような意識が芽生えています。メリットもありますが、ストレスホルモンがここまで上がっていると中々オススメもしづらいところ。
メカニズムについては以下の4つが挙げられています。
メカニズムメモ
- 時間を無駄にしたとき焦りを感じ、ストレスの原因になる
- 賢明に時間を過ごさなければならないというプレッシャーによってストレス増加
- 時間をお金として考えると、自分の仕事から注意がそらす&認知負荷が増大で、ストレスを誘発する
- 非経済的な友人や家族と過ごす時間などが減少し、ストレスが増加した
個人的な経験でもなんとなくわかりますよね。著者はこの結果から以下のような見解を示しています。
時給思考がストレスを引き起こし、この結果が複製され拡張される限り、人々の時間的価値が慢性的に際立っている状況では時間の見方を変更することが重要になります。
論文でも書かれていますが、経済的な考え方が入ると、余暇の価値や経験された楽しさが著しく低下するとわかっています。
それではぜひ参考に。
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