みんなに伝えたい!アロマセラピーの不安やストレスへの改善効果まとめ

2019年6月5日

アロマ

 

このページではアロマセラピーとメンタル面の系統的レビューをまとめています。全体的に見てメンタルに効果があるとわかりますが、ストレスは微妙な感じです。

 

不安とアロマセラピーの系統的レビュー

この研究(1)は不安とアロマセラピーに関するランダム化比較試験の系統的レビューです。精査した結果、16件のランダム化比較試験が残りました。被験者の合計は25,337人で、すべての参加者は不安症状があります。

アロマの方法は以下のものが含まれていました。

 

アロマの方法

  1. アロママッサージ
  2. 吸入
  3. 錠剤
  4. 足湯

 

アロマの時間は5-60分で、最も使われたのはラベンダーです。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 14件の研究で不安症状の改善を示した
  • 不安が大きい人ほど、より効果的だった
  • 吸入よりもアロママッサージの方が効果的だった

 

これらの結果から、アロマが不安症状に対して有効とわかりました。著者もこの結果について以下のように結論づけています。

 

概して16件のレビューされた研究のすべてが不安に対するアロマテラピーの肯定的な結果を示したので、アロマテラピーは不安症状を持つ人々のための補完療法として適用されることが推奨されます。

 

とはいえ、長期的な効果を示す証拠はないので、できる人は安全で楽しめる方法と考えていいとのことです。

 

うつ症状とアロマセラピーとの系統的レビュー

この研究(2)では抗うつ症状とアロマの研究を系統的レビューしました。2009年に発表された系統的レビュー(3)を更新する形で行われた研究です。対象にした論文は2016年5月までの実験で、精査した結果12件の研究が残りました。

参加者の総数は1226人で、女性が8割となっています。参加者はすべてうつ病やがん患者、不安症と診断された人でした。アロマの方法は吸入とマッサージの2種類です。使われたアロマは以下のような感じ。

 

実験の流れ

  1. ラベンダー:最も多かった
  2. ベルガモット
  3. ローズマリー

 

そして、結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 吸入アロマはうつ症状を有意に減少させた
  • サブで緊張や不安、怒り、混乱なども吸入後で有意に減少していた
  • アロママッサージでも軽度~中程度のうつ症状に有意な効果が認められた
  • マッサージは吸入に比べて、より効果的と示された
  • がん患者や分晩後うつ病に関しては有意差が見られなかった

 

これらの結果から、アロマが抗うつ症状にも有効とわかりました。特に今回の系統的レビューでは、アロママッサージがかなり有効と示されています。

著者はアロママッサージを行う時の注意点として以下のように述べています。

 

含まれている研究から提示されたプロトコルに基づいて、アロマセラピーマッサージの有効性および鬱症状を軽減するための有益な効果を評価するためには、少なくとも8セッションの治療が必要です。また、週に1、2回アロマテラピーマッサージトリートメントを施すことをお勧めします。

 

これは実験での注意ですが、アロママッサージを取り入れる人も参考にするべき情報です。吸入は手軽ですが、効果を得るにはマッサージよりも多くの回数が必要となります。

 

アロマの目安回数

  1. 吸入:1回40-60分を6-8回
  2. マッサージ:1回60分を4回

 

個人的には就寝前に付けておいて、そのまま寝ているので実践的には問題ありません。しかし、早く効果が欲しい場合はアロママッサージを検討してみるのが良いです。

 

ストレスの系統的レビューもあるが

ストレスとアロマの系統的レビュー・メタ分析(4)も出ていますが、選択基準を満たしたのが5件だけでした。実験の数やバイアスの関係があるので、また新しい系統的レビューが出るのを待ちたいですね。

とはいえ、これだけではつまらないので、生理学的は指標で比較したランダム化比較試験(5※PDF)を1つ紹介します。この研究は95人の成人男女を対象として行われました。参加者はランダムで以下の3つに分けています。

 

グループ分け

  1. アロマ群(33人):ラベンダー+イランイラン
  2. 無臭群(31人):食塩水
  3. 対照群(31人):なし

 

参加者は2分間で、6315から17を引き続けるという課題を行いました。課題中は暗算に悪影響が出るホワイトノイズを流し、間違えたら最初からやり直すよう指示しています。

そして、ストレスを与えた後で、10分間の休憩をしました。この休憩中にアロマを焚いています。後は血液サンプルや血圧、アンケートを取って実験を終了しました。

結果は以下のような感じ。

 

結果

  • アロマ群は有意にコルチゾール濃度を減少させた(30分後)
  • 血圧も有意に減少していた(10分後)
  • 交感神経はアロマの10分後から低下し始めた

 

これらの結果から、アロマの吸入でストレスが低下し、ストレスの回復をサポートする効果があるとわかりました。特に今回は血液を採取して、生理学的な指標を記録しているのが素晴らしいです。

この研究ではストレス解消の効果が確認されましたが、まだアロマとストレスの研究は少ない印象です。他の研究とは違い、系統的レビューではありませんが、参考にしてください。

 

  あなたにオススメの記事 

Copyright© ネクストサピエンス│ビジネスパーソンの科学メディア , 2023 All Rights Reserved.