短縮漸進的筋弛緩法でストレスを10%解消し、一週間持続させた話

2019年6月5日

漸進的筋弛緩法

 

リラックスする方法として漸進的筋弛緩法はよく知られていますが、ストレスにどこまで効果があるのかは知られていません。そこで漸進的筋弛緩法がストレスホルモンに与える影響を調査した研究では、ストレスホルモンを8%有意に減少すると発表されました。

 

漸進的筋弛緩法とストレスの研究

この研究(1)は101人の学生ボランティアを対象として行われました。漸進的筋弛緩法は1セッション45分で、16の筋肉を緊張と弛緩させています。

 

メモ

漸進的筋弛緩法とは、力を入れて⇒力を抜くを繰り返すリラクゼーション法のひとつです。イメージが湧きにくい人は動画を参考にしてください。

 

 

参加者には緊張と緩和の感覚と快適感に集中するよう指示しています。また緊張させるときは痛みや苦しさを感じないようアドバイスされました。

後は唾液サンプルの採取やアンケートを取って、実験は終了です。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 漸進的筋弛緩法の後と一週間後にコルチゾールの分泌が有意に8%減少(効果量d=0.30)
  • 自己申告のストレス測定で10%ストレスを軽減した
  • トレーニングの1週間後に測定しても効果が維持されていた

 

これらの結果から、短期間の漸進的筋弛緩法がストレスを減少させるとわかりました。特にその効果は一週間後にも持続しています。この結果について著者は以下のように述べています。

 

本研究は、特に大学生において、短縮型の漸進的筋弛緩法が知覚ストレスとコルチゾール分泌の両方を減少させるための効果的な介入であり、トレーニングの1週間後にこれらの変化を維持することを示唆する。有効性の効果は起床時間や神経症、性別、年齢および喫煙状態における個人差とは無関係であった。

 

ただし今回はランダム化比較試験ではないので、信頼性はやや低めです。著者はランダム化比較試験について過去の論文で確立されていると判断したようです。

個人的にもどちらを紹介するかで悩みましたが、ランダム化比較試験も出ています。(2)この研究は128人の大学生を対象にして、20分間短縮型の漸進的筋弛緩法をやってもらいました。すると、コルチゾールや心拍数の減少が確認されたわけです。

短縮型の漸進的筋弛緩法はランダム化比較試験でも効果が確認されているので、その点はご安心ください。こっちの研究では、20分のトレーニングで良いのが素晴らしいです。

 

それではぜひ参考に。

 

 

 

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