自然がストレスに効果的というのは有名な話です。しかし、今回紹介する研究では時間によって唾液コルチゾールの減少率が変わると発表されました。
20分の自然体験がストレスを大幅に軽減する
自然がストレスを軽減するという研究は今まで多くありました。しかし、今回紹介する研究(1)は唾液のバイオメーカーで、生理学的に測定した研究です。測定したのは以下の2つです。
測定
- 唾液コルチゾール
- 唾液アルファアミラーゼ
参加者は36人で、最低週に3回自然体験をさせました。実験期間は8週間で、歩くか座るかどちらでも自由にできました。ただし、運動やネット、電話、会話、読書は禁止です。
そして、2週間に一度唾液サンプルをとって、実験は終了しました。結果は以下のような感じ。
コルチゾール減少率 | |
---|---|
7-14分 | 8.3% |
15-20分 | 3.7% |
21-30分 | 18.5% |
30分以上 | 11.4% |
結果
- 自然はコルチゾールを21.3%/時間の低下をもたらした
- これは平均のほぼ2倍大きいコルチゾール低下にあたる
- 自然はアルフアアミラーゼの28.1%/時間の低下をもたらした
- ウォーキングだとアミラーゼの減少が小さく(4%)、座りだと28%の低下だった
- 20分以上の自然体験でストレスホルモンの有意な減少を示す
これらの結果から、自然と過ごす時間はコルチゾールの著しい低下をもたらします。特に自然でストレスを減少させるなら、20分が最も効率が良いとわかりました。今回の研究は他の自然研究とは違い、自然体験の時間による影響も出しているのが素晴らしい。
ただ気になるのは、ウォーキングだとアミラーゼの減少が小さくなっている点です。ウォーキングと言っても、かなり軽いです。過去の研究でもアミラーゼの上昇は示されていません。なので、著者の方も驚いていました。とはいえ、あくまで生理学的な反応が示されなかっただけで、過去の研究(2)ではグリーンエクササイズで持続的な改善が見られています。
ぜひ参考にしてみてください。