年齢による実行機能低下は「有酸素運動」で劇的に改善できる

2019年5月19日

運動

 

ランダム化比較試験では有酸素運動が実行機能を著しく改善したと発表しました。実行機能とは、何かの目標を決めて達成するために、思考や感情を動かすプロセスのことです。実行機能が弱ければ、「頭ではわかっているけど、動けない」という状態になります。

 

年齢による実行機能低下を劇的に改善した研究

この研究(1)は20-67歳の132人を対象として行ったランダム化比較試験です。参加者は以下の2つにランダムで分かれてもらいました。

 

  1. 有酸素運動群:66人
  2. ストレッチ群:66人

 

参加者はそれぞれ6ヶ月間、週4で運動してもらいました。基本的に10-15分のウォームアップと30-40分の運動という構成です。運動強度は最大心拍数が55-75%程度でした。

そして、この研究では色々な認知テストやMRI、BMI、遺伝子検査などを行いました。かなりガッツリとした調査をしてます。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 有酸素運動群は実行機能を著しく改善した
  • 実行機能に関しては高齢者ほど向上した
  • 有酸素運動は前頭皮質における皮質の厚さの有意な増加と関連していた
  • 有酸素運動群はBMIを有意に減少させた

 

上記のように有酸素運動は20-67歳までの範囲で、実行機能を改善しました。しかも、その効果は年齢が高まるにつれて、増加しています。著者はこの結果について以下のように述べています。

 

この所見は有酸素運動が衰退なしでパフォーマンスを向上させるよりもEF(実行機能)の加齢による減少を改善する可能性が高いことを示唆しています。

 

つまり、年齢による実行機能の衰えを改善してくれるということです。また今回の研究では、前頭皮質に厚さが有意に増加しました。

 

こっちは年齢に関係なく、若年層から高齢層まで影響が出ています。論文ではこの結果を年齢問わず、脳の健康を改善すると書かれています。とはいえ、厚さの変化と認知領域で相関が見られていないので、なんとも言えない感じです。

 

今回の研究は実行機能を始めとして、認知機能から健康面まで改善させました。ここまで見ると、有酸素運動を増やしたくなりますね。

それではぜひ参考に。

 

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