うつ病と健常者を対象にした研究では、有酸素運動と瞑想を組み合わせたトレーニングがうつ症状を劇的に改善すると示されました。
うつ病と反すうを40%減少させた「MAPトレーニング」
この研究(1)は33人のうつ病患者と36人の健常者を対象として行われました。参加者は以下の2つに分かれてもらいます。
グループ分け
- MAPトレーニング群:52人
- 対照群:17人
そしてMAPトレーニング群は週2ペースで、8週間のトレーニングをしてもらいました。
実験のMAPトレーニングでは以下のような流れで行っています。
実験の流れ
- 瞑想(30分):20分座り瞑想、10分歩行瞑想
- 有酸素運動(30分):トレッドミルかサイクリング(50-70%の強度)
そして、うつ病スコアや反すう、心肺機能などを測定して終了しています。
メモ
反すうとは、繰り返し物事を考えることです。うつ症状が強い人ほど、自分の欠点やネガティブなことを繰り返し考えてしまう傾向があるため、うつ病の原因にも数えられます。
結果は以下のような感じ。
結果
- MAP群はうつ症状を40%改善した
- 反すうも両者ともに有意な減少を示した
これらの結果から、有酸素運動と瞑想の組み合わせがうつ症状を大幅に改善するとわかりました。しかも8週間のトレーニングで40%も減少しているので、効果は強力といえます。
この研究の良いところは、健常者にも同じ効果が出ている点です。うつ病患者ほどの効果はありませんが、メンタルの改善に良いのは間違いありません。
またメンタル以外にも海馬の神経を増加させるとわかっています。
MAPトレーニング介入は、有酸素運動と瞑想が成体海馬の神経新生を増加させることを実証する基礎的な神経科学的研究から翻訳されました。実際これらの研究は、海馬における新しいニューロンが連想記憶の獲得と短期記憶に関与していることを初めて報告しています。
メンタル以外にも記憶や学習に効果がある可能性を秘めているのがMAPトレーニングです。
それではぜひ参考に。