運動でメンタル面が改善するのは有名です。その中でもうつ病の人を対象にした研究では、ボルダリングが非常に高い効果を発揮すると発表されました。
うつ症状を改善させたボルダリングの研究
この研究(1)は47人のうつ病患者を対象として8週間に渡って行われました。参加者は以下の2つにランダムで分けています。
グループ分け
- ボルダリング群:22人
- 待機群:25人
ボルダリングは1セッション3時間で、合計8回行われました。各セッションは短い瞑想やマインドフルネスの練習から始まり、ボルダリングのテクニックを習うという内容です。
後はうつ病のスコアやチェックリスト、アンケートなどを行い終了しました。結果は以下のような感じ。
結果
- ボルダリング群はうつ病スコアを6.27ポイント改善した(待機は1.4ポイント改善)
- 効果の大きさはCohen's d=0.77と中程度だった
- 重症度の高いうつ症状の人ほど大きく改善した
- ボルダリング群は有意に高い自己効力感を持っていた
これらの結果から、ボルダリングがうつ病を改善するとわかりました。特にこの効果量は他のグループ運動のメタ分析と同等の結果でした。ボルダリングにここまでの効果があるとは意外ですね。
今回の結果について著者は以下のように述べています。
参加者はお互いを支え合いながらボルダリングに取り組み、フィードバックや拍手を送るよう訓練されていたので、これはボルダリング療法において特に推奨されます。したがって、社会的相互作用は、ボルダリング療法の強力な治療要素となる可能性があります。
運動がうつ症状に良いのはもちろんですが、コミュニケーションを取りながら楽しくできるスポーツなのが良かったようです。この仮説は自己効力感の向上という結果が裏付けにもなっています。もしメンタルを改善する目的で、ボルダリングをするなら友達や家族と行くのが良さそうですね。
それではぜひ参考に。