起業して成功したら絶対に失敗したときの話をするべき理由

成功

 

イヴ
今回は成功したら失敗した話をするべき理由について解説します。

 

悪意のある嫉妬とその対策

この研究(1)はパイロットスタディと3つの研究から、悪意のある嫉妬を軽減する戦略を調査したものです。人の成功に対して妬み嫉みを持たれるという話はよく聞きます。ただ思い返すと、いわゆる成功者と呼ばれる人ほど、過去の失敗やトラウマなどを公表している印象があります。

この研究はそんな周りからの嫉妬を軽減する簡単な戦略として「失敗を明かす」というのが有効かを調査したわけですね。すべての実験を紹介するのは難しいので、ざっくりとポイントだけ説明します。

 

ポイント

  1. パイロット(150人):人々は成功よりも失敗を隠そうとする可能性が高く、発生後の成功よりも失敗について話す可能性が低いと予測し検証
  2. 研究1(264人):成功とともに失敗を明らかにすること(成功だけを明らかにすることと比較して)が、成功者に対して感じる悪意の嫉妬を減らすと予測し検証
  3. 研究2(663人):失敗を明らかにする戦略は成功者にのみ適用され、成功が曖昧な場合や地位の低い個人が失敗を明らかにするのはパフォーマンスの評価を損なうと予測し検証
  4. 研究3(82人):嫉妬された人が失敗を明らかにしたとき、観察者はその人の成功を才能よりも努力に帰すると考え、観察者はより真正なプライドとより傲慢でないプライドを知覚するようになると予測し検証

 

ちなみに研究3はサンプル数が少ないですが、本物の起業家が参加するイベントで実験が行われたからです。

結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 成功よりも失敗を隠す可能性が高く、失敗した話は少数の人に開示した
  • 成功と失敗を明かすと、成功のみの場合よりも嫉妬の感情が低くなった
  • 成功が曖昧な場合でも、嫉妬の感情は緩和された
  • 嫉妬された人が失敗を明らかにすると、良性の嫉妬を高めた
  • 失敗を明かすと、傲慢なプライドの認識が低下した

 

結果は単純な「失敗を明かす」という戦略が悪意のある嫉妬を減少させると示されました。さらに成功した相手が本当に成功しているかどうかに関わらず、嫉妬が減ると示されています。これは成功者以外でも、失敗を明かすという戦略が利用できるということですね。

また失敗を明かすと、傲慢なプライドの知覚が減少させ、良性の嫉妬を高めました。これは聴いた人が成功者の成功までの道のりで失敗していることを知り、自分も一生懸命働くようモチベーションが向上したと示されたわけです。

著者はこの結果について以下のように述べています。

 

私たちの研究は他人の認識がピアサポートとスタートアップの資金に大きな影響を与える状況で、成功と失敗の両方を明らかにすることの利点を示しています。これらの競争の中で、成功した起業家が過去の失敗を明らかにすると、仲間の起業家は嫉妬を感じなくなります。それどころか、彼らは自分自身ももっと一生懸命働きたいという気持ちになるようです。

 

著者も言うように、起業家はとっては特に重要な情報です。というのも、起業家は仲間や投資家が成功にのみ関心があると認識しているので、錯覚資産の考え方で成功のみを明らかにする可能性があります。

しかし、実際には成功と失敗の両方を明かすことで、悪意のある嫉妬はせずに、モチベーションの改善につながるわけです。戦略として失敗を明かすというのはかなり有効といえそうですね。

 

それではぜひ参考に。

 

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