起業家にとって睡眠不足は深刻な問題です。最近の研究によると、1日10分のマインドフルネスが44分の睡眠に匹敵するという結果が発表されました。
1日10分のマインドフルネスが44分の睡眠に匹敵した研究
この研究(1)は2つの実験で起業家の疲労を補完する方法を検証しました。1つ目の実験では105人起業家を対象として行われています。参加者は平均年齢42歳で、62%が男性でした。
参加者には以下の要素を測定しています。
測定内容
- 知覚疲労
- マインドフルネスエクササイズ:しているかどうかや週何日程度かなど
- 睡眠時間
結果は以下のような感じ。
結果
- 起業家は非起業家よりも知覚疲労が有意に高い
- マインドフルネスと知覚疲労は負の相関を示した(マインドフルネスをするほど知覚疲労が少ない)
- 睡眠時間と知覚疲労は負の相関を示した(睡眠時間が長いほど知覚疲労が少ない)
- マインドフルネスと睡眠時間は相互作用が有意に陽性だった
- 1週間に70分のマインドフルネスが一晩44分の睡眠に相当した
これらの結果から、マインドフルネスと睡眠時間の実践が知覚疲労を軽減してくれるとわかりました。この辺りは自然ですよね。
ただ今回驚きなのは睡眠時間とマインドフルネスが互いに補うという点です。効果の大きさも1日10分のマインドフルネスを一週間続けると、一晩44分の睡眠に匹敵します。
忙しい起業家が睡眠不足ということはわかっているので、1日10分をマインドフルネスに当てるのは合理的かもしれないですね。
知覚疲労で忍耐力や創造性は影響を受けるか
2つ目の研究は329人の起業家を対象として行われた追跡調査です。参加は週40時間以上働いていた人のみが許可されています。
参加者の平均年齢は36.4歳で、53%が男性でした。測定内容はこんな感じ。
測定内容
- 知覚疲労
- 睡眠時間
- マインドフルネス
- 忍耐力:事業の継続について評価
- 創造性
- 心理的離脱:精神的に仕事から離れられるかを評価
心理的離脱については以下の記事がオススメです。
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結果は以下のような感じ。
結果
- 睡眠・マインドフルネスと知覚疲労は実験1と同じ結果だった
- 知覚疲労は忍耐力や創造性、心理的離脱の低さと有意に関連していた
- 睡眠が十分な場合はマインドフルネスに有意な効果はなかった
これらの結果から、起業家が知覚疲労によって有害な影響を受け、それを和らげる活動は恩恵を受けるとわかりました。知覚疲労は思った以上にパフォーマンスを低下させてしまいますね。特に忍耐力や創造性は起業家にとって重要な資質なので、損なうのは痛いです。
ただし、マインドフルネスは睡眠不足を補えるだけで、完全に代替になるわけではありません。著者も以下のように述べています。
明らかに、起業家が睡眠をマインドフルネス演習で完全に置き換えることは不可能です。睡眠不足を補うためにマインドフルネスエクササイズを使用できる程度には、間違いなく限界があります。
マインドフルネスは起業家の疲労や睡眠不足に有用ではありますが、万能ではないのでご注意ください。とはいえ、1日10分をマインドフルネスに使うのは睡眠不足を補う意味では使えます。
起業家のみならず、お忙しいビジネスマンの方はぜひ参考に。