野菜や果物の場所を移動させて売上を15%伸ばした研究

2019年10月20日

食料品店

 

学生に健康的な食べ物を推進するという動きは色々見られています。ワーウィック大学の研究によると、果物や野菜のレイアウトを変えるだけで売上高の割合を増加させると発表されました。

 

単純なナッジが野菜や果物の売上を伸ばした

この研究(1)は単純なナッジが健康的な食品の購買行動に影響を与えるかを調査したものです。

 

メモ

ナッジとは、人が自発的に望ましい行動を選択するよう促す仕掛けのことを言います。行動経済学の専門用語ですね。

 

実験はワーウィック大学の校内に唯一ある食料品店で行われました。店舗のレイアウトは以下の2つが選択されています。

 

グループ分け

  1. レイアウトA(40週):入口に近い通路に移動し、入口に面したディスプレイを設置
  2. レイアウトB(40週):配置は変更せず、チラーキャビネットに変更
  3. ベースライン(90週)

 

ベースラインは2012年9月からで、レイアウトAへの変更は2015年1月から行われ、Bは2016年4月から行われました。データは2012年から2017年までの日時販売データを収集しています。

結果は以下のような感じ。

 

結果

結果

  • 期間中では野菜果物の割合は下降傾向が見られた
  • Aで総売上高に占める野菜果物の数量が0.97%ポイント増加
  • Aで総売上高に示す野菜果物の金額が0.69%ポイント増加

 

結果は果物と野菜を目立たせる介入Aの配置にすることによって、数量と金額が増加し総売上高の割合が増加しました。一方の介入Bはナッジによって、売上高の割合を増加させたとはいえませんでした。

図を見てもわかるように、期間中は全体的に野菜果物の割合が下降し続けています。そんな中でも、レイアウトAへの変更は知覚可能な上昇が確認できました。

著者は今回の結果から以下のように述べています。

 

本研究の主な結論はイギリスの高等教育の場では、店舗配置の変更によって果物や野菜の購入が促進される可能性があり、この効果は長期にわたって維持されることである。

 

レイアウトを変更するだけで購買行動にプラスの影響を与えて、健康的な食品の購入を促進できるのは面白いですね。ちなみに別の研究では社会的証明やBGMの音量によって健康的な食品の購入を促進しています。

 

カフェ
スーパーやカフェの売上を最大化するBGMをガッツリ調査した結果
社会的証明
社会的証明がファストフードよりも健康食品を推進した事例

 

それではぜひ参考に。

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