寛大な”返金保証”はむしろ返品を減らし売上を増加させるというメタ分析

返金保証

 

返金保証のメタ分析によると、寛容な返金保証は購入を促進して、返品を減らすという傾向が見られました。

 

返金保証は返品を減らして売上を増加させる

この研究(1)は返金保証が返品よりも購入を増加させるかを検証したメタ分析です。最近の調査によると、返品率が20%を超える小売業者は営業利益がゼロになることが多いとわかっています。

返金保証を付けている業者は増えてはいますが、経験がない事業者からすると返金保証で返品数が増加するようなイメージがあるのは事実です。で、今回のメタ分析では返金保証によって、売上や返品数にどのような影響を与えるのかを調査しています。

対象となった論文は選択基準を満たす21の論文で、159の効果サイズが含まれました。返金保証は企業によって寛大さのレベルが違うので、以下の5つの要素から測定しています。

 

診断内容

  1. 時間的な寛容:返金保証の期間
  2. 金銭的な寛容:返金は全額か、送料の有無
  3. 努力の寛容:元の領収書やタグ、製品パッケージなど
  4. 範囲の寛容:返品可能な製品が一部など
  5. 交換の寛容:現金で払い戻せるかポイントのみか

 

また購入や返品に影響を与えるのは返金保証だけではないので、以下の要素も考慮に入れています。

 

診断内容

  1. 品揃え
  2. 配布:小売業者の主な流通方法(WEBサイト)
  3. 耐久性:製品の耐久度

 

で、分析すると結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 返金保証と購入指標は弱い相関が見られた(0.218)
  • 返金保証と返品傾向はほとんど相関しなかった(0.08)
  • 「金銭的な寛容」と「努力の寛容」が有意に高い購入につながると示された(範囲や交換よりも)
  • 「時間的な寛容」と「交換の寛容」は返品数の減少につながると示された
  • 耐久性のある製品はより購入への効果が高かった

 

結果は寛容な返金保証が購入の増加を促進し、返品数もほとんど相関しないと示されました。特に返金保証の要因が購入を促進するか返品を減らすかを課す傾向があります。

具体的には「全額の返金保証」や「ほぼ努力いらずの保証」は有意に購入を促進して、「期間の長い保証」や「現金の払い戻し可の保証」は返品を減らすことができます。イメージしづらい方は以下の2つの返金保証を想像してください。

 

返金保証A100%返金、30日間保証
返金保証B80%返金、60日間保証

 

今回の調査結果では保証Aが購入に影響を与え、保証Bは返品に影響を与える可能性が高いということですね。つまり、小売業者は目的に応じて、返金保証の要素を提供する必要があります。

大雑把に分けると、以下のような感じです。

 

目的別

  • 販売促進:全額返金の対応/タグやレシート、パッケージは可能な限りなしでOKにする
  • 返品を減らす:保証の期間を長めにする/ポイントや返品だけでなく、現金対応をする

 

著者は今回の結果について以下のように述べています。

 

分析では、返品率よりも寛大な返品ポリシーに起因する購入の顕著な増加が明らかになっています。これは全体として製品の購入を促進するという点で、返品ポリシーが小売業者に利益をもたらすことを示唆しています。

 

小売業者は返金保証を付けるのがおすすめですが、中途半端な保証は意味がないかもしれません。購入を促進するなら、全額返金保証や消費者が負う返品の負担を減らす必要があります。もし返金保証を付けるつもりなら、ガッツリと消費者の不安を取り除くつもりでやるのが吉です。

それではぜひ参考に。

 

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