スーパーやカフェの売上を最大化するBGMをガッツリ調査した結果

カフェ

 

店内BGMの音量と食品販売の研究によると、音量が小さいほど健康食品が売れるという調査結果が発表されました。

 

環境音の音量は食品販売にどう影響するのか?

この研究(1)は環境音と音量が健康/不健康な食品販売にどう影響するかを調査したものです。環境音とは、バックグラウンドで再生される音楽のことですね。全体的な雰囲気を作り出すために使用されています。

実験はパイロットスタディを含めて8つも行っていて、かなりガッツリ調査されています。さすがにすべてを紹介するのは難しいので、仮説ごとに紹介します。

 

1.音量の違いは人にどんな影響を与える?

アメリカの99人の大学生を対象として「低音量(約50-55dB)」と「高音量(70dB)」に分かれてもらいました。音楽はクラシック音楽(ベートーヴェン、モーツァルト、バッハ)で、以下の2つの質問と調査に協力してもらっています。

 

診断内容

  1. 音楽は楽しいか?
  2. 音楽に対する好みはどうか?
  3. 心拍数の測定

 

主観的な評価に加えて、生理学的な測定も行っています。結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 環境音の音量が大きいほど心拍数は高くなった(興奮状態)
  • 環境音の音量が小さいほどリラクゼーションレベルが高くなった

 

結果は音量が小さいほど、リラックスできるとわかりました。実はこの結果が今後の実験で重要となってきます。

 

2.小さい音量の環境音は健康的な食べ物を好むようになる?

次は本物のカフェと協力して行われました。先ほどと同様に「低音量(55dB)」と「高音量(70dB)」に分け、同じ週の2日間(水曜、金曜)に2つの音量を再生しました。

ジャンルはポップやロック、ジャズ、ブルース、R&Bです。主要な指標はカフェのメニューで、3つに分類されています。

 

グループ分け

  1. 健康:サラダ、白身の肉と野菜のサンドイッチ
  2. 中立:コーヒー、紅茶
  3. 不健康:ケーキ、チョコ、赤肉のサンドイッチ

 

結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 低音量の場合、健康的な食品の売上が増加した
  • 高音量の場合、不健康な食品の売上が増加した

 

結果は環境音が小さいほど、健康的な食品の売上が大きくなりました。低音量の音楽はリラクゼーションを強化することで、健康的な食品に対する好みを促進していると示されています。

 

3.音楽のジャンルは食品選択に影響を与える?

別の実験では音楽のジャンルが影響を与える可能性も検証しています。具体的には大音量でのヘビーメタルや低音量でのクラシックなどです。

小売店の雰囲気に一致している場合、消費者の反応が有利になります。つまり、今までの実験では音楽ジャンルと大音量との整合性の欠如がネガティブな反応を引き起こして、不健康な食品への選択につながった可能性もあるわけです。

そこでヘビーメタルな音楽を使用して、低音量と高音量に分けて比較しました。ヘビーメタルが使われたのは最も刺激的な音楽なので、幅広い音楽ジャンルにわたって調査結果が強固であることを示せるからです。

対象者は178人の大学生で、以下の質問に回答してもらっています。

 

質問内容

  1. 音楽の楽しさ
  2. 音楽の好み
  3. サラダとピザどちらを好むか
  4. どの程度リラックスしているか

 

結果は以下のような感じ。

 

診断内容

  1. 大音量の場合は不健康な食品を強く好んだ
  2. 低音量の場合はよりリラックスしたと報告した

 

結果は音楽のジャンルに関係なく、音量の大小で食品選択に影響を与えました。具体的には音楽のジャンル問わず、小さい音量なら健康な食品を好むと示されています。

 

4.小さい音量の環境音はリラックスしてる人には、健康食品を選択させない?

この仮説は「参加者がすでにリラックスしている場合は低音量の影響はなくなるのではないか?」というものです。2でも説明していますが、低音量の環境音はリラクゼーションを誘発することで、健康的な食品の選択につながっていると示されています。

つまり、リラックス状態にある参加者は低音量と大音量の環境音で健康的な食べ物を選択する可能性は同じになるかもしれないわけです。

この実験では低音量・高音量×リラクゼーションの有無で比較しました。対象者は97人の大学生です。

音楽はクラシックピアノ音楽で、大音量(70dB)と低音量(50dB)に分かれました。また参加者にはリラックスする時間を与えたグループと与えていないグループに分けています。その後、食品選択でサラダとピザどちらを好むかを回答してもらいました。

結果は以下のような感じ。

 

結果

  • 非リラクゼーションの状況下では、サラダをより選ぶと示された
  • リラクゼーションの状況下では、サラダの好みに差がなくなった

 

結果は仮説通り、リラックス状態にある参加者は低音量でもサラダの選択が増加しませんでした。

 

まとめ

一般的にスーパーやレストランでは全体的な雰囲気作りのために環境音を利用していることが多いです。しかし、今回の結果は音楽の音量が食品選択に影響を与えるとわかりました。具体的には、以下のような感じです。

 

診断内容

  1. 小さい音量がリラクゼーションを促進する(心拍数)
  2. 小さい音量で健康食品の売上が増加し、大きい音量で不健康な食品の売上が増加した
  3. 音楽のジャンルとボリュームは関係なし
  4. 小さい音量の音楽はリラックス状態の人には効果が小さくなる
  5. 音量の効果はアイテム単一だけではなく、アイテムを複数選ぶ状況でも保持される

 

この結果はレストランやスーパー、カフェのマネージャーの方は実践的な意味があります。著者は以下のように述べています。

 

店舗/レストランのマネージャーは商品選択に影響を与えるように音楽のボリュームを戦略的に操作することができます。たとえば、健康的な食品を中心に販売している店や利益率の高い健康商品を販売促進したい店はボリュームを低く抑えることができますが、ファーストフード店はボリュームを大きくすることができます。店舗/レストランで周囲の騒音が高く、音量レベルを調整できない場合(例えば、スポーツ施設や空港のレストランやスナックバー)、それに応じてメニューを設計することができます。つまり、そのような施設では不健康な商品が好まれる可能性が高いということです。

 

このように取り扱っている商品や場所によって、音量を変更できるわけですね。特に食料品チェーン店では部門ごとに音量レベルを調整するのがベストです。売上を最大化するために、健康食品が販売している場所では音量を低くし、不健康な食品の場所では音量を高くします。

 

それではぜひ参考に。

 

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