ミズーリコロンビア大学の研究によると、従業員の満足度によって顧客満足度や購入意欲が大きく変わると発表されています。
従業員満足度が顧客満足度や購入意欲につながる
この研究(1)は50人のフランチャイジーと合計933人の従業員、20,742人の顧客で構成されるデータをもとに検証された実験です。
メモ
フランチャイジーとは、フランチャイズの加盟店のことを言います。一方のフランチャイズ本部はフランチャイザーと呼ばれています。
すべての参加者はアンケートに回答してもらいました。アンケートの内容は以下のような感じ。
診断内容
- 顧客の購入意欲
- 全体的な顧客満足度
- 従業員全体の満足度
- フランチャイザー・フランチャイジーの全体的な満足度
フランチャイズの経営に関わる人の満足度や顧客の購入意欲を調査したわけですね。結果は以下のような感じ。
結果
- フランチャイズの本部・加盟店の満足度は従業員満足度を媒介して、顧客満足度に影響する
- 顧客満足度と顧客の購入意欲の関係は店舗の従業員満足度によって媒介されていた(従業員の満足度が高ければ、顧客満足度と購入意欲の関係は強くなる)
結果はフランチャイズオーナーの満足度が従業員の満足度を介して顧客満足度に影響すると示されました。つまり、満足度の高いオーナーは従業員と顧客の満足度を通じて、顧客ロイヤルティにもポジティブな効果を与えます。
ただし注意したいのは、オーナーの満足度は顧客満足に直接的な影響が確認されなかった点です。これは最前線に働いている従業員の満足度が高くなければ、顧客満足度や購入意欲に影響がほぼないことを意味しています。
逆に従業員の満足度を向上させると、平均的な顧客満足度スコアが向上するだけではなく、顧客の購入意欲に対する顧客満足度の影響がほぼ2倍になります。ここから言えるのは、企業は従業員満足度を過小評価している可能性があるということです。
著者は従業員満足度を高めるためのアクションとして以下を推奨しています。
- 従業員が意思決定のトレーニングをすること
- 従業員のメンターになれるマネージャーを雇う
- 働きやすい雰囲気を作る。インセンティブや柔軟な労働時間などを提供
経営陣やマネージャーは最前線で働く従業員の満足度を真剣に考えていきたいところです。
それではぜひ参考に。