顧客の苦情を顧客ロイヤルティの向上につなげる方法がこちら

苦情

 

サウスイースト大学の研究によると、苦情はサービス改善よりも、リスクにさらされている関係を強化するためのツールとして見るべきという調査結果が発表されました。

 

顧客の苦情が顧客ロイヤルティにつながるという研究

この研究(1)は顧客の苦情に対して誠実なオープン性を伝えると、顧客ロイヤルティを高められるかどうかを検証した研究です。

 

メモ

誠実なオープン性とは、「否定的なフィードバックを聞く」ことと「フィードバックをサービス改善に役立てる」という意思を伝えることです。つまり、苦情を聞き入れることを顧客に伝えるということですね。

 

研究では192人を対象としてジムでパーソナルトレーナーと会うことを想像してもらいました。参加者はいずれかのどれかに分けられています。

 

グループ分け

  1. 強い絆&文句を言う
  2. 強い絆&文句を言わない
  3. 弱い絆&文句を言う
  4. 弱い絆&文句を言わない

 

絆に関しては以下のようなシナリオを読んでもらいました。

 

シナリオ

  1. 強い絆:トレーナーと会ってすぐに仲良くなります。ワークアウト中にも共通の趣味について話しました。
  2. 弱い絆:トレーナーとあまり話しませんでした。トレーナーとの相性はよくありません。

 

サービスの失敗についてはトレーニング中にトレーナーが注意散漫で、反復的で退屈なトレーニングになっていると気づきました。しかも、スマホをチェックし続け、全体的に不満を感じています。

そして、文句を言う条件の人はオンラインフォームを使って、否定的なフィードバックをして、顧客ロイヤルティを測定したら実験は終了です。

 

結果は以下のような感じ

強い絆

 

結果

  • 絆が強く文句を言える人は顧客ロイヤルティを向上させた
  • 絆が弱い場合は文句の有無に関わらず顧客ロイヤルティに影響なし

 

結果は絆が強く不満を言える人は顧客ロイヤルティを向上させました。つまり、サービス障害が発生しても、強い絆とフィードバックをできる環境があれば、顧客ロイヤルティを向上させることができるわけですね。

 

苦情の聞き手が違うと結果も変わる?

2つ目の実験ではサウスイースト大学の146人の学生を対象として4グループに分かれてもらいました。グループ分けは絆の強さと苦情の聞き手で分けています。

 

グループ分け

  1. 強い絆&会社
  2. 強い絆&第三者
  3. 弱い絆&会社
  4. 弱い絆&第三者

 

参加者にはフィットネスプログラムの改善という名目で15分間の調査に協力してもらっています。

パーソナルトレーナー役の俳優を雇って、4つの条件に分けて参加者と会話をしてもらいました。強い絆の条件では共感や類似性を出しながら、面接を進めます。

 

俳優:面接を始める前にお互いを知りましょう。あなたは何年生ですか?

参加者:化学専攻の2年生です。

俳優:私も化学専攻でした。どこから来ましたか?

参加者:カリフォルニア州サンディエゴ出身です。

俳優:あのエリアに友達がいます。数回行きましたが、大好きなエリアです。

 

一方で弱い絆は類似性などは見せずに面接が進められました。サービスの失敗を作るために、フィットネス系の質問時にスマホで目に見えて気が散っているように演じてもらっています。

最後にトレーナーとの面接についてのフィードバックとロイヤルティを回答するよう指示されました。苦情については「トレーナーに書面でフィードバックを提供する」か「口コミサイトに投稿する」の2つに分けられています。

結果は以下のような感じ。

 

結果

 

結果

  • 強い絆を持ちトレーナーに直接苦情を言った時、顧客ロイヤルティが向上した
  • 絆が弱い場合は顧客ロイヤルティに変化なし

 

結果は匿名で苦情を言うのではなく、会社に直接苦情を言う人ほど顧客ロイヤルティが高いとわかりました。逆に絆が強くても、匿名のサイトで苦情を言う場合は顧客ロイヤルティが変化していません。

著者は今回の研究を踏まえて、以下のように述べています。

 

多くの企業はフィードバックシステムに組み込まれている価値を効果的に活用していない可能性があるため、サービスの失敗を顧客ロイヤルティに変換する機会を逃している可能性があります。

 

今回の研究で、インタビューされたマネージャーは顧客との関係維持の手段として苦情を見ていないとわかりました。どちらかといえば、サービスの問題点を特定するために、苦情の内容に重点を置いています。

著者によれば、マネージャーはネガティブなフィードバックを再度解釈し直す必要があるとか。苦情はサービス改善よりも、リスクにさらされている関係を強化するためのツールとして見ることが推奨されています。

企業はオープンな態度で苦情を求めている場合、強く結びつきを感じている顧客は離反することなく忠実であり続ける傾向があります。しかし、サービスによっては苦情を聞き入れる態度がない場合は多々あるので、機会損失になっていることもありそうですね。

ただこれは経営陣の動きが大切で、低評価を少なくする動きがあるとマネージャーは苦情に対して否定的になったり、苦情に効果的に対処するためにトレーニングを受けていない場合は誠実に対処するのが難しかったりする場合があります。

全体的に言えば、ネガティブフィードバックに対するマネージャーの視点を変えることによって、サービスの失敗は離反の原因ではなく、関係を成長させて育成する機会と見れます。

 

それではぜひ参考に。

 

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