ブランディングの科学に基づいたブランド構築方法

2021年3月27日

 

ブランディングの科学に基づいたブランド構築方法をまとめていきます。

 

ブランドの構築方法

メンタルアベイラビリティとは

メンタルアベイラビリティとは、消費者のブランドに関わるすべての記憶のことです。私たちは生活の中で、ブランドに出会い、ブランド体験に基づく思いや感覚が生じる”ことがあります”。その結果、ブランド記憶が生まれ、記憶がブランド・エクイティの中心的な存在となります。ブランドは生活の中で現れますが、状況はさまざまです。

 

ブランド体験の例

  1. ブランドを使った/買った
  2. 他の人が使っていた/買っていたのを見た
  3. ブランドの広告を見た
  4. ブランドの商標がついた配送トラックを見た
  5. ブランドをSNSで深く知った
  6. ブランドについて友人や広報担当者から聞いた/記事を読んだ

 

どのような体験にせよ、記憶が刷新されて新しいブランド記憶が作られていきます。このような脳の活動がブランドのメンタルアベイラビリティを構築する”可能性があります”。

ここでは意図的に「ことがある」「可能性がある」としていますが、これは慎重に検討した上でのことです。というのも、マーケティング活動が求める記憶の強い焼き付けを確実にするためにはブランド体験だけでは不十分かもしれないからです。しかし、ブランド体験がなければ、メンタルアベイラビリティが構築する機会もないので、出発点なのは事実です。

 

記憶が購買に、購買に記憶が影響する

ブランド連想に関する最も有名な科学法則があります。それは「ブランドユーザーはノンユーザーよりもブランドを連想しやすい」という法則です。当たり前と思えますが、「たった一度購入しただけでブランドの連想度合いが変わる」と聞くとその重要性がわかります。実際、ブランドを買うことの効果はブランドを買うことをやめた後でも持続します。ブランドを買ったことのない顧客よりも一回でも買ったことのある購買客の方が肯定的なブランド連想を抱く可能性が高いです。またブランド購入経験者ほどブランド連想が多いということは、購買客が多い大規模ブランドほど小規模ブランドと比較して、ブランド連想スコアが高いことを示します。しかし、意外なのは否定的に考えられていた連想もこの比率に従うという点です。

 

購買決定と脳について

脳の中でブランドがどのように認知されているかを知るためには、認知されたブランドがどのようにコード化され、記憶され、引き出されているのかを知る必要があります。記憶はいくつかの種類で構成されています。

 

記憶の種類

  1. 意味記憶:言葉と意味を関連付ける記憶
  2. エピソード記憶:物語を覚えるときの記憶。多くの記憶が最初はエピソード記憶として認識される。物語が通常の記憶構造の中に組み入れられると、意味記憶として定着する。
  3. 潜在記憶:情報処理のための記憶。長年の運転経験のある人はこの記憶から指令を受けていることが多い。買い物中にブランドを選択す行動も同様。
  4. 感覚記憶:ニオイや音、感触などの五感に対する記憶。

 

これらの記憶を前提として、私たちはわずかな時間ではありますが、ブランドの購買客となりマーケティング活動のターゲットになっています。しかも多くの場合で購買客が買い物にかける時間は購入判断に至るまでの時間も含めて非常に短く、費やされる労力も少ないです。つまり、製品を買うとき、製品の選択を容易にするための記憶を選んで引き出しています。購買に関わる思考と行動には次のような特徴があります。

 

購買に関する思考と行動

  1. 瞬時に判断する:意識的な検討は行われない
  2. 状況の影響を受ける:状況に応じて思い出す記憶が決まる
  3. 記憶は不安定である:今日思い出せたことが明日思い出せるとは限らない

 

購買をするとき、人は理由を探します。そして、何を買うべきか、その時の状況に合わせて判断します。つまり、必要な答えを得るために、特定の思考を利用しているわけです。この思考を「きっかけ想起」と言います。

 

きっかけ想起

人は思考を働かせることで、購買の方向性をおおよそ決定しています。まず、思考の入り口として「きっかけ」を利用し、記憶にアクセスさせることが重要です。この入口がどのような思考を巡らせればよいかを明らかにしてくれます。

きっかけそのものは外部環境や内部思考から発せられます。きっかけが刺激を受けると、記憶の中で直接リンクしているブランドに反応します。このような直接的なリンクはブランドと「きっかけ」が同時に経験されているときに起こります。「きっかけ」との直接的なリンクがなければ、記憶の想起は極めて困難です。

このことからブランド管理には次の2つが重要と考えられます。

 

ブランド管理

  1. 購買客が購買の選択肢について考えるときに、どのような「きっかけ」を用いているかを知ること
  2. 「きっかけ」とブランドの間に新しい強いリンクを構築すること

 

もし自社ブランドの連想が強くなければ、購買客は他の選択肢(他社ブランドなど)を想起します。人は良い選択肢がすでに得られている場合、それ以上に良い選択肢を探す努力を行いません。さらに言えば、想起の方向性も重要です。ブランドが記憶の何かを思い起こさせるとしても、その何かがブランドを思い起こさせるとは限りません。

 

メンタルアベイラビリティの構築

メンタルアベイラビリティとは、カテゴリーの購買客が遭遇するさまざまな状況やニーズの中でブランドがどれほど想起されやすいかというものです。買ってもらうためには、まず想起されなくてはなりません。これを実現するには、ブランドと「きっかけ」のリンクの幅(多さ)と強さ(強度)が必要です。

 

カテゴリーエントリーポイント(CEP)

カテゴリーエントリーポイントとは、ブランドとつながっている入り口の連想のことです。ブランドを特定の記憶構造に引き寄せることで、購買を検討中に自社ブランドを想起する可能性が拡大します。CEPが多ければこの道も多くなり、ブランドが目立つ機会が増えます。CEPはメンタルアベイラビリティを構築するための認知上のチャネルとして機能します。カテゴリ内で購買行動を起こすときやブランド選択をする前の思い、受けた影響が反映されます。具体的には、購買行動の場所や目的、状況、同伴者、ニーズ、カテゴリのコアベネフィットなどです。

 

CEPフレームワーク

 

購買客はCEPを介してブランドを想起します。なので、マーケターによっては、ブランドが成功するためには1-2つのCEPが強くなければならないと思うかもしれません。しかし、この結論は重要な事実を無視しています。それは市場シェアの高いブランドは低いブランドよりもCEPの数が多いという事実です。ブランド・エクイティの構築には、この記憶構造の広さが必要な役割を果たします。もし自社ブランドを大きく育てようと思っているなら、ブランドをカテゴリ内のできるだけ多くのCEPにリンクさせる必要があります。

 

メンタルアベイラビリティの評価基準

ブランドは競合ブランドと比較してCEPのリンクが多いほど、あらゆる購買機会で選ばれる可能性が高まります。これを検証するために主要ブランドの代表的なCEPからメンタルマーケットシェアを算出しました。以下はブランドの記憶構造の強度を評価するための基準です。

 

評価基準

  1. メンタルマーケットシェア:全CEP連想に対するブランドのCEP連想の割合。カテゴリ内でのブランドの相対的な想起力がわかる。
  2. メンタルペネトレーション:ブランドを少なくともひとつのCEPとリンクさせているカテゴリー顧客の割合。記憶の連想ネットワーク理論に基づいて、ブランド想起に関わる複数の経路に存在するブランド想起の可能性を計算し、ブランド認知度を測定する。メンタルペネトレーションが高いほど、ブランドのメンタルアベイラビリティが高いカテゴリ顧客がおいことを示す。
  3. ネットワークサイズ:ブランドを認知しているカテゴリ顧客の意識の中でブランドとリンクしているCEPの数。ネットワークが大きいほど、ブランドが想起される経路の数は多い。この基準はブランドがCEPネットワークを維持しているか、構築中かを評価するときに便利。

 

これらの基準は売上指数と相関していることが多いですが、ブランドの健全性を測る基準としては普通です。メンタル市場シェアと売上市場シェアに差がある場合、配荷やマーケティング・ミックス、ブランドメッセージなどに問題がある可能性があります。

重要なのはこれらの評価基準がブランドに成長をもたらしてくれるライト顧客や無購買層の長期記憶構造を構築するためのマーケティング活動の効果測定に役立つ点です。例えば、新しいCEPに着目したキャンペーンはネットワークサイズを拡張し、到達度の高いメディアプランから高いメンタルペネトレーションが得られ、より正確で高いブランディングスコアが得られたキャンペーンはネットワークサイズとメンタルペネトレーションの両方を構築します。

 

メンタルマーケットシェア メンタル市場浸透率 ネットワークサイズ
 サムスン 21 90 10.8
 コニカ 17 85 9.3
 アップル 15 80 8.3
 マイクロマックス 9 69 5.8
 HTC 8 53 6.8
 ブラックベリー 7 60 5.6
 LG 5 48 4.5
 モトローラ 4 44 4.1
 カルボン 4 54 3.1
 ラバ 3 45 2.7
 XOLO 2 33 3.4
 ビデオコン 2 38 2.2
 ファーウェイ 2 32 2.4
 セルコン 2 37 2.1

 

これらの評価基準から、カテゴリ顧客は大規模ブランドであるほどブランド知識が豊富で多くのCEPを有していることが示唆されます。

 

ブランドポジショニングと広告によるメッセージ

従来のマーケティングの教科書は、強いブランドとは強いポジショニングを確立しているブランドであると解説しています。しかし、この考え方は間違いです。強いブランドは1つのニーズを満たしているわけではありません。むしろ、さまざまなカテゴリーに対して、メンタルアベイラビリティを獲得しています。ブランドのポジショニングは決して不可解なものではなく、広範囲にリーチできる広告を始めとしたマーケティング施策によって創造されます。

ポジショニングの強さはブランドメッセージが購買客の中でもライト顧客や無購買層の心にどのくらい深く到達したか、彼らの記憶の中でどのくらい強くブランドとリンクしたかの関係によって決まります。十分なポジショニングを確立したブランドの広告が記憶構造を構築する時、ブランドの特性は期待以上の反応を得ます。しかし、競合ブランドの干渉があったり、時間経過とともにブランド記憶が薄れたりすると、反応の高まりは持続せず一時的です。またブランドメッセージが変更されたり、広告の質が低かったりしても、高まりは限界に達して元の状態に戻ります。広告メッセージの効果を測る最良の方法はブランドの規模ではなく、個々の特徴に対してブランドがどれほど認知されているかを調査することです。しかし、ブランドメッセージが時間の経過とともに変化すると、ブランド特徴の理解もその影響を受けます。

ブランドのメッセージ戦略を設計するときは以下の点を注意します。

 

注意点

  1. この広告を見た人は、どのCEPに反応しただろうか?広告メッセージはカテゴリのライト顧客にもブランドのライト顧客にも明快か?
  2. このCEPは多くの消費者に受け入れられるだろうか?CEPが広く受け入れられるほど、広告のインパクトは大きい。CEPが曖昧なほど、広告が影響を与えられる購買機会は少ない。
  3. このCEPを最後に利用したのはいつだろうか?もし最近のキャンペーンで使用しているのであれば、そのときに採用されなかった別のCEPを検討してみる。消費者の記憶を刷新することで良い効果がもたらされる可能性があるからだ。

 

CEPとのリンクを作る上で、広告が効果的に機能したかを知るためにブランドのポジショニングを測定することができます。しかし、そのポジショニングに長期間にわたって依存できると期待してはいけません。

 

ブランドへの感情に対する誤解

人はブランドに対して、色々な感情を抱いています。しかし、ブランドに抱く強い感情について2つの定番的な誤解があります。

 

1.ブランドを買わないことはブランド拒否と同じ

ブランドの無購買層がブランドを拒否しているというのは誤解です。アレンバーグ・バス研究所によると、新興国市場においても明らかなブランド拒否は少ないとわかりました。ほとんどのブランドにとって、メンタルアベイラビリティの欠如が購買拒否よりもはるかに重要な問題です。

 

2.すべての購買客が明確な態度を持っている

回答の選択肢を制限して、ブランドに対する姿勢を誇張するのは簡単です。例えば、「わかりません」や「どちらでもない」といった選択肢をなくすと、当たり障りのない中間指標を選びがちです。実際には無関心にも関わらず、過大に評価されてしまいます。特に無購買層が多い小規模ブランドでは顕著です。回答にはまったく無関心であることにも対応するすべての選択肢を用意することで、ブランドに対する態度の強さと分散を現実的に把握することが可能です。

例:「わからない」「考えたことがない」「気にならない」

 

独自のブランド資産を強化する

独自のブランド資産とは、ブランド名以外のすべてのブランド要素のことです。

 

独自のブランド資産

  1. ブランドカラー
  2. ロゴ
  3. キャラクター
  4. フォント
  5. 音楽、サウンドロゴ
  6. タグライン、キャッチコピー
  7. パッケージショット
  8. 広告スタイル

 

また最も重要な要素としてブランド名があります。ブランド名があって、初めてブランドが購買客の記憶の中にしっかりと固定され、ブランドの本質やベネフィットの全体像を把握する記憶構造とリンクします。しかし、それは複雑なブランドの記憶システムの一部でしかありません。その他にも、外見や形、色、音などの要素がさまざまな神経経路を刺激します。さまざまな要素を介して行われるブランドの印象形成は、人の脳が処理できるさまざまな記憶プロセスを上手に利用して行われます。

 

独自のブランド資産を強化する方法

ステップ1:賢明な選択

現在のブランド資産に活用・開発の価値があるかどうかを確認するため、ブランド資産の強みを証明できるエビデンスを探します。アレンバーグ・バス研究所では、どのような独自のブランド資産であっても、強みと可能性を2つの尺度を使って数値化する方法を開発しています。

 

2つの尺度

  1. 知名度:どれだけ多くのカテゴリ購入者がブランド資産要素をブランド名に関連付けられているか
  2. 独自性:競合ブランドよりも自社ブランドへの反応がどれだけ多いか

 

これらの尺度から、カテゴリ購入者がブランド資産からブランド名を想起する可能性を知ることができます。

 

 

転換点を表す2つのカットオフ値が50%に設定されています。もしブランド資産の知名度が50%を超えれば、カテゴリ購入者が買いたいと思う確立は50%を超えます。一方でブランド資産の独自性が50%を超えれば、想起される可能性の高い有力ブランドとなります。

 

ステップ2:賢明な実行

独自のブランド資産が「使う価値がある」レベルに育つまでどのくらいの時間が必要かを考えるなら、次の3ステップをいかに実行できるか次第です。

 

step
1
すべてのカテゴリ購入者をターゲットにする

すべてのカテゴリ購入者にメッセージを届けます。独自のブランド資産を持つブランドと接触のあった購買客だけがブランド連想を構築することができます。もし広告がカテゴリ購入者の50%に到達すれば、カテゴリ購入者の50%が独自のブランド資産とブランドとの関連性を理解する可能性があります。つまり、カテゴリ購入者の認知率が高ければ高いほど、独自のブランド資産をより早く構築することができます。

 

step
2
ブランド名とブランド資産の連想を強化する

ブランド名とブランド資産が共存する最高の瞬間を伝えましょう。ブランド名とブランド資産の連想を確立し強化するためには、2つの要素が共存する瞬間への気付きをカテゴリ購入者に与えるべきです。またその瞬間をどのブランドコミュニケーションよりも目立つよう提示しなければなりません。その瞬間が卓越しているほど早期に、その瞬間を知った消費者との間に独自のブランド資産を構築することが可能です。

 

step
3
一貫性を維持する

一貫性を維持しましょう。どの瞬間もブランドにとっては生死をかけた重要な瞬間です。一貫性はすべての瞬間に意味をもたせるために非常に重要です。一貫性が欠如すれば、独自のブランド資産を強化する機会を逃すだけではなく、ブランド想起を阻害する連想が形成されてしまい、ブランドのアイデンティティ構築を遅らせてしまいます。これは系列品のブランドアイデンティティを構築するときに犯しがちな過ちです。

 

独自のブランド資産の目的

独自のブランド資産を揃える目的は一貫性があり、感覚的に豊かな印象を与えるブランドオプションを創造するために、どのメディアにも使用可能な独自のブランド資産をセットとして所有することです。

 

独自のブランド資産の要素

  1. ブランドカラー
  2. ロゴ/形状
  3. 顔のあるもの(キャラクター/芸能人など)
  4. サウンド(音声がブランド資産である場合)
  5. キャッチコピー

 

上記の要素を作っていくことを長期目標として設定し、1つか2つの要素を作ることからはじめ、徐々に増やしていきます。その際、パッケージのデザインにも利用でき、広告にも展開できるブランド資産を優先させます。このタイプの資産は購買客にもブランドにも付加価値があるからです。

 

フィジカルアベイラビリティの構築

ィジカルアベイラビリティの最も重要な役割はブランドを目立たせて買いやすくすることです。フィジカルアベイラビリティは3つの要素に分類できます。

 

三要素

  1. プロミネンス(目立っているか):流通ルートや小売店の選択などのブランドの配荷に関わる判断
  2. レレバンス(買い求めやすいか):ポートフォリオ選択の判断に影響
  3. プレゼンス(存在感はあるか):購買環境の中でブランドの存在感を高める

 

これらの三要素の中でも、配荷率は重要です。ブランドの配荷と市場シェアの間に正の関係があるため、市場シェア率の低いブランドは高いブランドと比較して、配荷率も小売店の売上率が低いということです。

 

プレゼンス(存在感があるか)

プレゼンスはフィジカルアベイラビリティの中心的な要素です。プレゼンスが他のすべての要素を支配しています。存在感を出すためには、できるだけ多くの購買機会を捉えられるようにブランドを流通と店舗に配荷する必要があります。簡単にいうと、購買中の顧客があなたのブランドを発見できないという状況を避けたいわけです。

新ブランドの発売や新市場の開拓には、フィジカルとメンタルの2つの働きが重要になります。理想的には、メンタルとフィジカルが同じ顧客層を同時に構築するのが望ましいです。大企業であれば、潤沢な予算を使ってどちらも狙えばよいですが、中小企業は経営資源の問題で難しいです。そのため、以下の2つの戦術が挙げられます。

 

2つの戦術

  1. 地域限定販売・広告宣伝
  2. フィジカル構築の前にリーチを広くした広告宣伝

 

これらの戦術で流通チャネルや小売業者を増やしていきます。流通と小売が増えると、カテゴリ内の購買機会は拡大しますが、増やしたあとでブランドのプレゼンスの確立と管理にかかる費用も考えて、賢明な策か検討しなければなりません。

 

マルチチャネルの考え方

食料品や雑貨を買うことは生活の一部になっています。しかし、それぞれの流通チャネルの重要性と浸透率は国や地域によって差が生じています。人は購買の選択肢が増えると、全く新しく買い物レパートリーを作り変えるのではなく、現在のレパートリーを増やそうとします。下の表はそれぞれの国における食料・雑貨のチャネル浸透率を比較した表です。

 

 スーパー  個人のスーパー コンビニ 通販
ブラジル 98 90 71 39
中国 98 90 88 88
インド 95 95 92 58
インドネシア 90 93 95 34
ケニア 62 95 69 14
メキシコ 97 89 90 28
ナイジェリア 66 93 82 30
ロシア 96 71 83 34
韓国 83 83 82 69
トルコ 99 90 45 40
平均 88 89 80 43

※新興国市場の都市部在住のインターネット使用者が1ヶ月間に食料雑貨を購入したチャネルの国別比較(%)2014年

 

最初に気づく点はすべての国でマルチチャネルの購買が当たり前になっている点です。この事実は複数の流通チャネルがフィジカルアベイラビリティの構築に極めて重要ということです。新興国のマーケターはカテゴリー内で購買機会を創出し継続させていくために、伝統的なチャネルと現代的なチャネルの両方に対応を迫られます。

 

購買行動を理解するための法則

チャネルは小売り構造を広く理解するのに役立ちます。購買客のチャネル使い分けは、ブランド購買のパターンが小売店の選択基準に反映されています。

 

チャネルのメモ

  1. 購買客はカテゴリごとに小売店のレパートリーを持っていて、1つの小売店やチャネルに100%のロイヤルティを抱いていることは少ない
  2. 小売店の浸透率と小売店に対するロイヤルティの関係はダブルジョパティの法則に従う
  3. 小売店による購買客の奪い合いは購買重複の法則に従う。つまり、小売店は競合する小売店の規模に準じて競合し、人気の小売店と多くの購買客を、人気がない小売店とは少ない購買客を共有している
  4. 小売店の構造的な差(形態、価格、立地)が浸透率とロイヤルティの関係を特定するときや競合の小売店の相対的重要性を決定するときに影響を及ぼす

 

購買客は購買をする前に色々な選択肢を検討するため、ひとつのチャネルに固執することはありません。下記の表は4ヶ国の小売業態別のロイヤルティを測定したものです。

 

 スーパー  個人のスーパー コンビニ 通販
ブラジル 38 31 22 18
中国 29 23 23 22
インド 26 29 27 19
ロシア 40 26 33 17

 

インターネット利用客の平均的なロイヤルティは約30%ほどです。日本ではどれほどかはわかりませんが、インターネットが100%ということはありえません。購買客がひとつのアウトレットに依存することはほとんどないので、多くの小売店とチャネルをカバーすることがフィジカルアベイラビリティの構築に繋がります。

 

小売店選択でも観察されるダブルジョパティ

チャネルと小売店の選択はダブルジョパティの法則に従います。買い物客が少ないチャネルでは、買い物客がそのチャネルに訪れる頻度も低いです。メキシコの事例ではダブルジョパティの法則が確認できます。

 

月間購買客(%) 月間購買頻度
 スーパー  97  6.2
 コンビニ  90  5.4
 個人スーパー  89  5.4
 ディスカウントショップ  65  5.0
 通販  28  4.6

※メキシコにおけるインターネットを利用する食料雑貨購買客のチャネル選択で観察されたダブルジョパティの法則(2014年)

 

また別のイギリスの事例では、浸透率が低ければリピート率も低いこともわかっています。ダブルジョパティの法則は小売店とチャネルの購買指数を正しく解釈するための道筋を示してくれます。健全なロイヤルティとは何か、小売店が必要以上、以下のロイヤルティを得る分界点、顧客基盤の規模と合わせて示してくれます。

チャネルやアウトレットの選択に重要な関わりを持つダブルジョパティは、特に浸透率の低い業態では顧客基盤の構造に問題があって客不足が加速していることを教えてくれます。つまり、浸透率の低い業態の顧客は、そもそも購買頻度が低い上に複数の業態を利用している購買客であり、他の人気業態へ簡単に流れて行きやすいです。

ただし、浸透率の高い業態よりも低い業態に商品を配荷することはメリットがあります。低コストで自分のブランドを店内で目立つように陳列してもらうよう交渉できることや業態のマス広告で扱ってもらえるように交渉できる点です。

 

レレバンス(買い求めやすさ)

フィジカルアベイラビリティの構築はお客さんがブランドを買える/買いたいと思うシステムの構築のことです。製品と特定の顧客層をマッチングさせることではありません。あくまでカテゴリ内に存在する多くの購買機会に満遍なく製品を配置することです。しかし、製品の配置とコストはバランスを取ることが重要です。そのためには、すべての選択肢を考慮した上で、優先すべき事項を決定しなければなりません。これは以下の2つで解決できます。

 

レレバンスの解決方法

  1. カテゴリ内の製品バリエーションをマッピングして、製品が主要な購買機会を網羅しているかを確認
  2. 購買を妨げている原因を取り除いてブランドを買い求めやすくする

 

一つひとつみていきます。

 

カテゴリ内の製品をマッピングする

カテゴリ内の製品をマッピングすると、購買客が遭遇するほとんどの状況でブランドが購入されるために必要な何かを開発できます。製品やポートフォリオは次のような基準を満たさなければなりません。

 

メモ

  1. 製品の選択肢が豊富であること。特に規模。多くの人に売れるよう製品の種類が豊富でなければならない
  2. 人口が増えている地域では競合に勝つため、製品の選択肢を増やす
  3. 競合力を失わないために、市場の成長にともない主要なサブマーケットでの製品の選択肢を増やす
  4. 顧客基盤が小さい高価格帯の製品を導入するときは過度の集中とカニバリゼーションを防ぐ:3タイプのホワイトニング歯磨き粉を導入

 

これらの点に留意することで、購買機会を逃すことなく、ニッチな市場に過度な集中をすることも避けられます。1つのブランドですべての選択肢に対応することができない場合、別のブランドをポートフォリオに加えても良いです。チャネルはストックのしやすさにも購入のしやすさにも影響を与えます。

 

購買を妨げている原因を取り除く

買い求めやすい商品であるためには、購買を妨げているすべての原因を取り除く必要があります。

 

メモ

  1. 品揃え:大量買いから単品買いまで幅広いニーズに対応する。小型商品は自家用車を持たない購買客にとって運びやすい。一方で大型商品は世帯人数の多い家庭にとっては重要で、配達サービスがあればなお魅力的。
  2. 価格幅:購買客が提示された価格に100%満足することはない。彼らは選択肢の中から選んで買おうとする。(1-P255)買う側としては、贅沢したいときにも倹約したいときにも選択肢があることは喜ばしい。消費者にとっても、状況によって異なる価格設定が必要となる。例えば、自分用のワインとお祝いごとのワインは価格が異なるはず。
  3. 支払い方法:買いたい気持ちがあるからといって購買行動を起こすわけではない。支払い方法は柔軟にするのは問題解決を図る1つの方法である。

 

プロミネンス(目立っているか)

プロミネンスとは、目に付きやすいことです。一度購買選択肢のひとつとなったブランドは、プロミネンスを獲得するとさらにプレゼンスが強化されます。多くのブランドが存在する小売現場で、ブランドは競合ブランドの雑多な情報に埋もれています。例えば、店内では多くの客が存在し、サイトでは広告が張られ、街頭や電車の広告にも目を奪われ、どこで買い物をするべきかも判断に迷います。

こうした環境の中で、ブランドが購買客に気づいてもらうためには、どのような環境であろうとも十分なプロミネンスが必要です。ブランドが購買環境で目立てば、ブランドのビジュアル資産が機能してフィジカルアベイラビリティの構築が促進されます。強いビジュアル資産があれば、競合がひしめく環境であっても道を切り開くのは可能であり、購買客のメンタルアベイラビリティを獲得できていなくても、購買環境で購買客の注意を引きつけるブランドになれます。

 

注意

注意点としてリスクを伴うありがちな思考があります。それはブランドに注意を引きつけるために、ブランドは奇抜な色や形、仕掛けを用いて、差別化を図ろうとする考え方です。さらにそれを独自のブランド資産だと、考える人もいます。しかし、この方法だとやがて購買客のブランド認知も鈍くなり、頻繁にパッケージを変更する必要が出てきます。

 

新ブランドの導入から新規顧客獲得まで

新ブランドの市場導入はリスクを伴う大仕事です。この章ではマーケティング戦略に悪影響を与え、成功の可能性を低下させてしまう、仮説について考えます。浸透率を高めるには、新しい脳を獲得する必要があります。ブランドが生存競争に勝って成長するためには、外へ出てできるだけ多くの新しい脳にリーチしなければなりません。

 

最初の購買客を獲得するまでの道のり

新しいブランドが導入されても、多くのカテゴリバイヤーは買い慣れたブランドを買い続けるという残酷な現実から逃れることはできません。しかし、従来の解釈では購買客を説得するには強力な感情的欲求の喚起が必要とされてきました。新しいブランドは従来のブランドとは差別化された価値を提案し、説得力にあふれる広告を展開しなければならないと、言われています。もし売れなければ、ブランドの価値を伝えられなかったか、説得力がなかったことが原因と考えられてきたわけです。

しかし、実際にはブランド知識は低い方が普通です。パレートシェアはカテゴリ購買客の中で上位20%が全ブランド知識の半分を持ち、80%が別の半分のブランド知識を持っています。(1)つまり、多くの既存顧客が既存のブランドについてほとんど知りません。ブランドの非購買客はなおさらです。コーラゼロの事例では、3つの購買客群のブランド知識量を比較しています。

 

コーラゼロ購買群のブランド連想

 

ブランドの購買客の大半に想起可能な記憶構造が少ししか構築されていないのはごく当たり前のことです。直近の購買群は、想起可能なブランド知識をほとんど持たない人に多く存在しています。これは長い歴史を持つブランドや新しいブランドに限らず、ほとんどのカテゴリ顧客にとって未知のブランドであることを意味します。何年も前に発売されたブランドであっても、その存在を知らない購買客は多いです。

つまり、新ブランドが新規顧客を獲得するプロセスと既存ブランドが新規顧客を獲得するプロセスはあまり変わらないということです。問題は自社ブランドを初めて買う人の心の中にどれほど深いメンタルアベイラビリティを構築する必要があるか、という点です。

 

新しいブランドの育ち方

新発売されたブランドを調査した研究(2)によると、新ブランドの指数は同程度の市場シェアを持つ既存ブランドの指数に極めて短期間で近似することがわかっています。つまり、新しいブランドは既存ブランドと同じように育つわけです。新ブランドは発展途上国市場においても、ロイヤルティ指数を改善することよりも市場への浸透を拡大することで成長します。

 

バリューシェア(%) 浸透率 購買頻度 ロイヤルティ比率
 1 0.002 0.02 0.9 10
 2 0.25(+1200) 0.4(+1900) 1.1(+22) 10(+0)
 3 1(+292) 1(+1500) 1.4(+27) 13(+30)

※中国で発売された新しい歯磨きブランドの成長

 

上記の調査を見ても、浸透率はどのロイヤルティ指標と比較しても、年々大きくなっています。新しいブランドはどの市場であれ、最初は買う人が少ない小さいブランドです。当然ですが、新規顧客を獲得しなければなりません。しかし、新ブランドのマーケティングプランが大多数にリーチすることよりも少数のロイヤルティを獲得することに重点を置いています。新しいブランドを最初に買ってくれる可能性が高い顧客層を予測することも、どの顧客層に投資するべきかを予測することも、実際には簡単なことなのでムダなお金を使う必要はありません。

一般的にはヘビーカテゴリ顧客が最も大きな利益をもたらしてくれると思われがちです。実際、新しいブランドの最初の購買客はヘビーカテゴリ顧客です。これは研究(3)でもわかっていて、ライトカテゴリバイヤーよりもヘビーカテゴリバイヤーが新ブランドを頻繁に買う傾向が強いです。しかし注意したいのはあくまでレパートリーに他のブランドを維持したまま、新しいブランドの購入者となっているという点です。したがって、新しいブランドはヘビーカテゴリバイヤーから見れば、お試し用のブランドという位置づけです。

発売初期はヘビーカテゴリバイヤーに偏りますが、ブランドを成長させるためにはライトカテゴリバイヤーを増やしてバランスを修正する必要があります。いわゆる確立された大規模ブランドの顧客基盤はそうして構築されています。簡単に言えば、ヘビーカテゴリバイヤーを増やすだけでは不十分ということです。まずはライトカテゴリバイヤーを増やして足元を固めることから始めない限り、成長は見込めません。

新ブランドが成長するためには現状大規模ブランドを買っているライトカテゴリバイヤーを引き付けなければなりません。そのためには新発売期間を終えた後も広告を継続させて、ブランドの購買頻度がそれほど高くない消費者を対象にメンタルアベイラビリティを構築してはじめて実現します。

 

新ブランドのロイヤルティについて

新発売されたばかりのブランドは同程度の市場シェアを持つ既存ブランドと比較すると、ロイヤルティが全般的に低いことがわかっています。(4)なので、ロイヤルティが低いのは失敗の危機が差し迫っている兆候でもないですし、消費者が一度試して拒否したのが原因でもありません。ロイヤルティが低い理由は発売初期に価格を引き下げてある程度の購買に繋がっていましたが、施策が終了してからブランドを購入しづらくなった層がいるためと考えられています。

別の研究(5)では2-3年間を通して成功したブランドを調査した結果、新発売後1年以内に衰退しはじめるブランド群が発見されました。この失敗ブランド群は最初期は好調でしたが、その後低迷し始めたブランドです。興味深いのはブランドの浸透率と購買頻度は常に正常でしたが、四半期ごとのリピート率が低かった点です。このパターンは短期間で値引きを実施し、広告を大量投下するブランドと一致しています。

新ブランドの発売に特別感を出す作戦はメンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティを構築して、新規性を出すための戦術として正しいように思えます。しかし、導入が一時的な刺激策に力を入れすぎ、その直後に何の施策も実施しなければ、ブランドの市場シェアを維持するためのメンタルアベイラビリティもフィジカルアベイラビリティも構築するのは難しいです。売上予測コンサルの方によれば、アップル社はiPodの発売当初、四半期ごとに徐々にメディアへの投資を増やしていったと指摘しています。

 

新ブランドの発売戦略

今までの結果から、新ブランドの発売は2段階に分けて考えるべきです。

 

step
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第一ステージ

フィジカルアベイラビリティの確保に必要な初期売上を達成します。特にヘビーカテゴリバイヤーだけを目標にする必要はありません。ヘビーカテゴリバイヤーは遅かれ早かれ気づくので、リーチ幅の広い施策を導入します。とはいえ、ヘビーカテゴリバイヤーは反応が早いため、第二ステージのための資金を残すために、実施頻度は最小限に抑えましょう。

 

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第二ステージ

ミディアム~ライトバイヤーが購買サイクルに入ったら、メディアを選択し、リーチするまで継続的に広告を発信します。ブランドメッセージが彼らにとってレレバンス(買い求めやすさ)を持っていること。メッセージは新発売当初のメッセージから少し変化していることもありえます。

 

メンタルアベイラビリティの構築を優先させる

まだ自社ブランドを購入したことのない顧客に、あなたはどのようなブランド知識を獲得してもらいたいか?顧客にどのような記憶を獲得してもらいたいかを考えるのは、ブランドマネジメントのエクササイズとして効果的です。ここでいう記憶とは、ブランドの購入に繋がる記憶のことです。伝えなければならない最も重要な情報は、ブランドの存在理由と外観の印象です。他にもブランド名や形状、購入場所、購入方法と言った情報を発信し、これらのブランド知識を記憶に定着させられなければ、ブランドが買われる可能性は低くなります。しかし、実際には新ブランドが従来品とどう異なるかに注力しているため、ブランド自体に対する理解ができていません。

 

イメージの連想を構築する

発売初期のブランドは売上もメンタルアベイラビリティも不在です。独自のブランド資産についても、ブランド名のみということも多々あります。この問題を克服する方法の1つは、既存の文化的記憶構造を利用することから始めることです。

まず、潜在的な顧客がカテゴリやブランドをどのように理解・記憶しているかを調査します。広告戦略には市場固有の特徴的表現も含めて、地域の文化的な知識が必要です。ブランドをカテゴリに関連付けるため、即効性のあるコミュニケーション力を持つ広告表現のスタイル・色の使い方・シンボルを探しましょう。これらの要素がメンタルアベイラビリティを構築するために、開発中のカテゴリーエントリーポイント(CEP)を視覚的側面から後押ししてくれます。新しいブランド記憶を既存のカテゴリ記憶と関連付けるのがオススメです。カテゴリとの連想のリンクを確立した後はカテゴリバイヤーが抱くメンタルアベイラビリティに深みを与え、さまざまな購買機会で有力な候補となるように完璧なブランドを作ります。

 

売上高を伸ばすために一般的なCEPを優先する

カテゴリエントリーポイントの価値はカテゴリ内のレレバンス(購買顧客にとっての重要度)の深さによって変化します。幅広くレレバンスを獲得しているCEPもあれば、そうでもないCEPも存在します。購買客との接触が多いCEPほどブランドにとっての価値は高いです。

ウイスキーブランドのCEPを例に考えます。CEPとしては「リラックスさせてくれる」の方が「特別な贈り物」よりも一般的です。したがって、贈り物やおもてなしとしてのブランド価値を発信するのは悪くありませんが、ブランドにとって最善の出発点とは言えません。一般的に使われているCEPほど市場の挽回を狙うブランドが多いことは研究でわかっています。(6)なので、購買客の記憶の中にすでに確立された競合ブランドとの混乱や誤解を避けるために優れたブランディングが必要です。

しかし、広告されたブランドを視聴者が正しく認識できなければ、いくら広告を出稿してもメンタルアベイラビリティを構築することはできません。ブランディングの戦術には大きく2つのタイプが存在します。

 

2つの戦術

  1. ブランド名を視覚・音声で伝える戦術
  2. 独自のブランド資産を間接的に伝える戦術

 

新ブランドはまだ独自のブランド資産が育っていません。もちろん時間はかかりますし、広告の露出も繰り返さなければなりません。特に新発売キャンペーンでは将来的に独自のブランド資産構築の土台を創るためにも、明瞭な表現でブランド名を訴求する必要があります。ブランディングを強化するためには、広告だけではなく他のマーケティング活動でもブランドを卓越した存在にする賢明な広告表現が必要です。

一般的にブランドをまったく知らない人にも自社ブランドの存在が明確でなければなりません。

 

メモ

  1. できるだけ早期に実施する
  2. 視覚に訴える施策を頻繁に行う
  3. 広告露出は等間隔にする
  4. 可能な限り映像と音声の両方を使う

 

ブランド拒否を確認する

新ブランドが拒否されている場合、その理由を調べることは問題を特定するのに役立ちます。早期に警戒することで、どのような問題でも解決し、ブランドを成功に導くための機会を得られます。2011年に行われたブランドが拒否される理由を調べた研究(7)によれば、以下の理由が挙げられています。

 

ブランド拒否の理由

  1. 質が低いと思われている:パッケージ等の質で判断されている。未購買客がブランドのパフォーマンスを疑う理由がどこかにある
  2. 価格が高い:未購買客の購買意欲が削がれる。ブランドを買いたいと思えない
  3. 過去の経験:期待したパフォーマンスが得られなかったことがある
  4. 他ブランドからの悪影響:カテゴリ内で否定的な印象をもつブランドがあり、別カテゴリのファミリーブランドに悪影響を与えている。系列品は特に影響あり

 

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